腎臓の機能低下は耳の不調の意外な原因

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耳の衰えの原因は年のせいばかりではない

中高年になると耳鳴り・難聴・めまいなどの耳のトラブルが増えてきます。ただ、みなさんの中には、耳鼻科で治療を受けてもあまりよくならないので、結局「年のせいだからしかたがない」とあきらめてしまう人も多いことでしょう。しかし、耳の衰えの原因が年のせいといい切ることはできません。

実際、いくつになってもこうした耳のトラブルと無縁の人はおおぜいいます。

耳のトラブルを招く原因は多岐にわたりますが、その中でアスカ鍼灸治療院院長の福辻銘記先生が注目しているのが、腎臓の機能低下です。こういうと驚く人は多いと思いますが、腎臓の働きが衰えて体内に余分な水分が滞る「むくみ体質」に陥ったために耳の機能が衰えたり異常が起こったりする例は、決して珍しくないのです。

もっとも、耳のトラブルに腎臓の衰えによるむくみ体質が関係しているといっても、ピンとこない人がほとんどでしょう。では、耳と腎臓との関係について説明していきます。

耳と腎臓は経絡を通じてつながっている

腎臓はソラマメのような形をした大人の握りこぶしぼどの大きさの臓器で、背中側の腰より少し上に左右一対、背骨を挟む形で位置しています。腎臓は、主に尿の生成や、血液に含まれる塩分量・水分量の調節などの役割を担っているとされています。

これは西洋医学で解釈された腎臓の役割ですが、福辻先生が専門とする東洋医学においては、腎臓は、体内で重要な6つの臓器と考えられている肝・心・脾・肺・腎・心包の中で最も重要な臓器と位置づけられています。そして、腎臓の弱った状態を「腎虚」と呼んで、万病のもとになると考えています。

また、腎臓は体内を循環しているとされる「津液(しんえき)」という水分の代謝(体内で行われる化学反応)を担っており、体内の水分バランスを適正に諏整したり、汚れた津液を排出したりする働きもあるとされています。

そのため、腎虚に陥ると、津液の循環がうまく行われなくなり、余分な水分や老廃物が体内にたまってむくみ体質になります。東洋医学では、こうした状態を「水毒」と呼んでいます。そして、水毒の典型的な症状として確認されているのが、排尿の異常や口の渇き、そして、耳鳴り・難聴・めまいなどの耳のトラブルなのです。

さらに、東洋医学には、体の中に「気」と呼ばれる生命エネルギーが流れているという考え方があります。そして、気の通り道である「経絡」を介して、目や鼻、耳などの感覚器官と内臓がつながり、互いに影響を及ぼし合っているとされています。

目は肝臓、鼻は肺というふうに対応していますが、実は耳とつながっているのが腎臓なのです。つまり、腎臓が衰えると、その悪影響が経絡を通して耳にも伝わり、耳のトラブル引き起こすというわけです。

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