頭が前に出てネコ背になる「頭突き出し姿勢」がおなかポッコリの原因

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座り姿勢の悪さが頚椎症を招く

首や腕、手にかけて慢性的なしびれが現れる場合、考えられる原因の一つに、頚椎(背骨の首の部分)に異常が起こる頚椎症(専門的には変形性頚椎症)があります。

私たちの頚椎は、椎骨と呼ばれる7つの骨が頭部のすぐ下から積み重なって出来ており、頚椎全体が緩やかなカーブを形成しています。また、椎骨と椎骨の間には、クッションの役割を果たしている椎間板という軟骨があり、首にかかる衝撃や負荷から椎骨を守っています。

ところが、なんらかの原因によって慢性的に頚椎に負担が加わると、椎間板がはみ出して椎骨が傾いたり椎間板がつぶれたりして、椎骨に直接、衝撃や負荷がかかるようになります。

その結果、椎骨に直接かかる衝撃や負荷を分散させるために椎骨が変形し、骨棘(こつきょく)と呼ばれるトゲを形成します。この骨棘が、頚椎の周辺を通っている血管や神経を圧迫したり傷めたりすると首や腕、手にしびれと痛みが起こります。これが頚椎症と呼ばれる首の異常です。

頚椎症を招く重大原因の一つとしてあげられるのが、姿勢の悪さです。もう少し具体的にいえば、顔を前に突き出し、背中を丸めてネコ背になる「頭突き出し姿勢」と呼ばれる姿勢が、頚椎症の発症に密接にかかわっているのです。

肩こりの原因にもなる頭突き出し姿勢

なぜ、頭突き出し姿勢が頚椎症を招くのでしょうか。

私たちの頭部は非常に重く、大玉スイカ一個分(3~5キロ)ほどの重量があります。それに対して、重い頭部を支える首は支柱としては少し細く、頼りないといわざるをえません。そのため、頚椎が頭部を効率よく支えるには、頭が頚椎の真上に位置するのが理想です。

しかし、顔が前に出る頭突き出し姿勢が習慣化すると、当然ながら、頭は頚椎の真上ではなく、斜め前方に位置することになります。そうすると、首は重い頭を効率よく支えられなくなり、頚椎には大きな負担がかかります。その結果、椎骨に変形が起こりやすくなって、頚椎症を引き起こすのです。

また、頭突き出し姿勢では、頸椎だけでなく、首や肩の筋肉、さらにはそこを通る神経にも大きな負担がかかります。そのため、頭突き出し姿勢に陥ると、肩や首のこり、頭痛なども起こりやすくなります。

さらに、頭突き出し姿勢は、「引き抜き症候群(正式には腕神経叢引き抜き症候群)」という病気に似た状態を招く原因にもなります。引き抜き症候群は、頚椎症とともに、首や腕、手のしびれを引き起こす病気として知られています。

引き抜き症候群は、主に、交通事故や激しいスポーツなどで体に強い衝撃が加わり、首が急激に横に曲がったり腕を強く引っばられたりしたときに起こります。首や腕にこうしたカが加わると、首から腕に伸びている神経が強く引っばられて傷んでしまいます。その結果、頚椎症と同様に首や腕、手のしびれが現れるのです。

一般に、引き抜き症候群は事故やケガなどで急性的に起こるものですが、頚突き出し姿勢による引き抜き症候群は、首から腕にかけて伸びる神経が、慢性的に引っばられるために起こると考えてください。

頭突き出し姿勢が定着すると、頭部が前に突き出たぶん、首から腕に伸びる神経はピンと張られた状態になります。こうした緊張が続くと、結果的に事故やケガによる引き抜き症候群と同様に神経が損傷され、首や腕、手のしびれが起こるようになるのです。

頭突き出し姿勢は自分では見つけづらい

自分が頭突き出し姿勢に陥っているかどうかを自分で判断するのは、鏡を使ってもなかなか難しいものです。

最近になって人から「姿勢が悪くなったね」と指摘された人は、知らず知らずのうちに頭突き出し姿勢に陥っている可能性が大きいといえます。

「体重は増えていないのに、おなかが出てきた」と感じる人も要注意です。頭突き出し姿勢に陥ると、顔が前方に出ているぶんだけ重心が前方に移動します。そうすると、体はバランスを保とうとして、自然と腰を反らしておなかを前方に突き出す姿勢を取ります。

そのため、おなかにぜい肉がついたわけでもないのに、おなかがポッコリ出てきたと感じるのです。

また、首・肩のこりがひどい人では、程度の差こそあれ、ほとんどの場合で頭突き出し姿勢に陥っているといっていいでしょう。

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