糖尿病になるとアルツハイマー型認知症に3倍なりやすい④「アルツハイマー型認知症の人を早期発見」

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糖尿病状態をおさえる薬の開発が次の目標

認知症の進行を抑制するためにも、糖尿病の予防・改善が大切になります。

いずれにしても、アルツハイマー型認知症は、単純に神経細胞が死滅するから、その症状が起こるわけではありません。そこには、まだじゅうぶんに解明されていない複雑なしくみがあります。今回の研究を通じて、ようやくその本質の一端が見えてきた、というべきでしょう。

例えば、アルツハイマー型認知症の患者さんに、糖尿病の治療に使われるインスリン薬を投与する臨床研究も始まっています。糖尿病の患者さんのように注射でインスリンを投与するのではなく、鼻からインスリンを吸入する方法で、脳へインスリンを送り込みます。

結果は、多少の効果は見られたものの、改善の度合いは小さかったそうです。長期的な効果も、まだ判明していません。

インスリン吸入の効果については、今後の研究を待たねばなりません。

しかし、アルツハイマー型認知症の患者さんの脳内は、糖尿病の状態が生じているわけですから、インスリンに限らず、その状態をおさえる薬の開発が次の大きな目標の1つとなるでしょう。

アルツハイマー型認知症は、死後の病理解剖で、直接、脳を観察しないと正式に診断できません。つまり、現代の医学水準でも、正確に判定できるのは患者さんの死後なのです。

脳梗塞などがあって、脳血管性認知症と考えられていた患者さんが、死後、病理解剖をしてみたところ、アルツハイマー型認知症だとわかったケースも少なくありません。

患者さんが生きているうちの早期診断。これも、アルツハイマー型認知症に関する大きな課題といえるでしょう。

現在、患者さんが元気に生きているうちに、MRI(磁気共鳴画像法)などの画像診断で、脳に、老人斑や神経原線維変化を見つける技術が開発されています。

認知症の症状が出る前にアルツハイマー型認知症の人を早期発見できると、認知機能の低下の予防や治療の大きな助けとなるはずです。

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