ストレスからくる心身のさまざまな不調を緩和する「中指の一点刺激」

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とりわけ即効性に優れている

大阪市・木本クリニック院長の木本裕由紀先生は内科医で、医師となった後、中国の四川省で12代読く四大名医の家系の後継者である陸希先生から中医学(中国伝統医学)を学びました。鍼灸や手指鍼などの鍼治療の研究にも取り組み、西洋医学だけではなく、中医学漢方や鍼治療などを組み合わせた治療を行っています。

西洋医学では、「この症状や病気にはこの薬」と治療法を決めていきますが、中医学では、その人が抱えている一つ一つの症状を調べて分析し、その人の体質やそのときどきの心身の状態に応じて治療します。

病気や症状の奥にある、真の原因から治していくアプローチなので、西洋医学では治療困難または原因不明とされる病気や症状にも、対処できるのです。

そうした特質から、木本クリニックを訪れる患者さんの疾患や症状は、実に多種多様です。

クローン病(腹痛と下痢が続く原因不明の病気)や潰瘍性大腸炎(大腸の粘膜に潰瘍やただれが起こる病気)などのいわゆる難病や、脳障害、アトピーやアレルギー性疾患など、従来の治療法では症状がなかなか改善せず、困った末に駆け込み寺的に受診される人も、たくさんいらっしゃいます。

そのため木本先生は、さまざまな病気の患者さんに、より早く確実に治療効果を上げられるよう、新しい治療法も積極的に取り入れています。松岡佳余子先生が発見された「ストレスポイント」を使った「中指の一点刺激」も、その一つです。

2年ほど前から治療に取り入れて、目覚ましい効果を上げています。手指鍼はもともと、さまざまな不調の改善に即効性がある治療法ですが、ストレスポイントの刺激は、とりわけ即効性に優れていると木本先生は感じています。

これまでの木本先生の臨床経験では、中指の爪の生え際のすぐ下にあるストレスポイントを刺激する中指の一点刺激は、脳の機能的な低下による諸症状の改善に、特に効果が見られました。

脳の機能的な低下とは、ストレスなどの影響で脳の血流が悪くなり、脳の働きが低下してしまうこと。具体的な病名としては、うつ病やパニック障害、ノイローゼなどが挙げられます。

木本先生は従来、こうした病気の人には漢方薬や鍼灸で対処してきましたが、効果が表れるまで、ある程度の時間がかかります。ところが、中指の一点刺激を行うと、その場で劇的に症状が軽くなるのです。

臨床例で特に即効性が高いのが、パニック障害です。パニック障害は、突然の激しい動悸や発汗、息苦しさといった体の異常とともに、「このままでは死んでしまうかもしれない」という、強い不安感に襲われる病気です。この発作は、いつ突然起こるかわからないため、予防や対処が非常に困難です。

しかし、発作が起こりそうになったときにストレスポイントを強く押すと、30秒~1分ほどで症状が落ち着きます。

木本先生の患者さんにこの方法を教えたところ、「発作が起こるたびに救急車を呼んでいましたが、中指の一点刺激を行うと動悸や不安がすぐに治まるので、救急車を呼ばずに済むようになりました」と、喜ばれています。

木本先生の実感では、パニック障害に対する中指の一点刺激の効果は、ほぼ100%と言っても過言ではありませんし、予防にもつながります。

このほか、うつ状態の人に中指の一点刺激を行ったところ、「まるで霧が晴れたように、頭がスッキリした。こんな気分を味わうのは久しぶりです」と感激されたこともあります。

ボールペンや親指の爪で押してもいい

松岡先生は、このストレスポイントを、痛みへの治療に使われているそうです。最近の研究によると、痛みを訴える患者さんの約85%は、社会的要因や心理的要因、具体的にはストレスが、痛みの原因として深く関与しているということです。

私の治療経験からも、中指の一点刺激は、ストレスなどによって低下した脳の機能を正常化する、優れた作用があると考えられます。ですから、現代のようなストレスの多い環境の中、松岡先生たちのグループが、この刺激法で痛み治療に大きな成果を上げられているのも、十分に納得できます。

私は中指の一点刺激の方法として、手近な道具で自分でストレスポイントを押すことを勧めています。ペン先を中に収めた状態のノック式ボールペンの先端などでストレスポイントを押すと、ちょうどいい具合に刺激できます。適当なものが見つからなければ、親指の爪で押してもいいでしょう。

私は、自分が耐えられる範囲で、できるだけ強く押すよう指導しています。我慢できなければ、弱めの力で長めに押したり、強弱をつけて押したりしても構いません。時問は、強く押す場合は20秒~30秒ほど、弱めに押す場合は1分以上を目安にしましょう。

ストレスからくる心身のさまざまな不調を緩和するために、ぜひ中指の一点刺激を活用していただきたいと思います。

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