ユズの皮には生活習慣病を予防・改善する効果や老化を遅らせる効果がある

dan46

強い抗酸化作用で生活習慣病を予防

表面の皮をほんの少し削って入れるだけで、料理の味と香りを格段に引き立てるユズ。鍋やお吸い物など、和食には欠かせない冬の果実です。

ところが、ユズは今、世界の名だたる料理人たちの注目を集めているのです。フランスの一流レストランでは、ユズ風味のメニューが定番となり、ユズを使ったデザートは大人気に。「YUZU」は、そのまま世界に通じる言葉になっています。

しかも、単に料理の風味を引き立てるだけではありません。なんと、ユズには糖尿病や肥満、認知症を予防するのに有効であることが、最近の研究によって明らかにされています。

ユズには、各種の有機酸やビタミン類、ポリフェノール、それに香り成分のリモネンなど、さまざまな栄養や機能性成分が含まれています。

なかでも特筆なのが、皮や種に多く含まれるヘスペリジン、ナリンギンなどのポリフェノールの作用です。

ポリフェノールとは、植物が作り出す色素や苦味、渋味などの成分のことです。強い抗酸化作用や抗炎症作用などを持ち、ガンやメタボリック症候群などの生活習慣病を予防・改善する効果や、老化を遅らせる効果などがあります。

運動しなくても糖尿病や肥満を解消する効果がある

ユズのポリフェノールの主な効果をまとめると、次のようになります。

①ブドウ糖を細胞内に取り込み、消費しやすくして、高血糖を予防ないし改善する

②血管自体をしなやかにして、動脈硬化を防いだり、血流をよくしたりする

③中性脂肪や悪玉コレステロールを減らして、脂質異常を予防ないし改善する

④体脂肪を減らし、肥満を防ぐ

⑤アルツハイマー型や脳血管性の認知症を予防したり、その進行を遅らせる

では、最新の論文を一つ、要約してご紹介しましょう。

韓国食品研究院で行われた実験では、ラットに高脂肪食を与えた群と、ユズの皮入りの高脂肪食を与えた群とを比較しました。その結果、約2カ月後に、ユズの皮入りの群では、体重の増加が約半分に抑えられたのです。この実験で、わかったことが二つあります。

一つは、血糖値を下げる作用や脂肪を減らす作用があること。ユズには、AMP活性化プロテインキナーゼ(AMPK)という酵素を活性化する作用があります。AMPKが活性化されると、糖や脂肪の分解が進みます。つまり、運動したときと同様に糖や脂肪が消費され、高血糖や肥満が抑えられるのです。

もう一つは、正常な脂肪細胞から分泌されるアディポネタチンを増やすことです。アディポネタチンには、インスリンの働きを高めて血糖の上昇を抑えたり、血管をきれいにして動脈硬化を防ぐ働きなどがあります。

このように、ユズの皮には、運動しなくても糖尿病や動脈硬化を防いだり、肥満を解消したりする効果があるのです。

皮入りのユズ茶にすると手軽で効果も高い

また、人為的にアルツハイマー型認知症を起こしたラットにユズの皮を与えると、糖代謝やエネルギー代謝が改善し、しかも認知機能障害も緩和するという韓国の湖西大学校の論文があります。

糖尿病またはその予備群の人は、そうでない人の4・6倍もアルツハイマー型認知症にかかりやすいといわれています。ユズは、糖尿病にもアルツハイマー型認知症にも、予防効果があるのです。

さらに、動脈硬化を防ぐので、脳卒中から起こりやすい脳血管性認知症の予防にも役立ちます。

こうした作用の中心成分は、先に述べたヘスペリジンです。ユズの皮や種にはヘスペリジンが非常に多く含まれ、ミカンの20倍、カボスの6倍、スダチやレモンの3倍もあります。

やや苦味のあるヘスペリジンは、ユズの皮の白いワタの部分に豊富に含まれていますから、この部分を食べてください。

さて、その取り方です。手軽でおいしいのは、やはりユズ茶でしょう。ヒラヤナギ式ユズ茶は、手軽でお勧めです。

1回に取るユズの皮の量は、4分の1個です。生でもいいですが、乾燥させて冷凍保存すれば、一年中使えます。

ユズは、できれば無農薬のものがいいですが、ない場合は、皮の表面を薄くむきます。皮をむくと、香り成分は失われますが、効能は十分残っています。

なお、ユズは一部の薬の薬効を高めてしまうことがあります。カルシウム拮抗薬(降圧剤の一種)やコレステロール低下剤などの薬を服用している人は、医師に相談することをお勧めします。

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