自然な睡眠を誘発し、不眠の解消に役立つ「クワンソウ」

加齢による生理的な変化が不眠を招く

一般的に、中高年になると不眠を訴える人が増えてきます。「寝つきが悪くなった」「朝早く目が覚めるようになった」など、みなさんの中にも、同じような悩みを持つ人も多いことでしょう。これらの原因の一つとして、年を取るにつれて睡眠時間が短くなるという生理的な変化があります。

そもそも、睡眠時間は、人間の成長に合わせて短くなっていきます。生まれたての新生児は、16時間ほど眠るといわれていて、幼児になると10時間、小学生で9時間、そして中学生くらいで1日8時間ほどに落ち着きます。それが50代後半くらいから減少していき、六十歳を超えた老年期に入ると6時間ほどになると考えられています。

これは、若いころと比べて日中の活動量が減り、必要とされる睡眠の量が少なくなるためだとされています。また、尿意や物音にも敏感に反応するようになり、睡眠と覚醒をくり返して眠りが浅くなってしまうのも原因の一つと考えられています。

そのほかにも、「これからちやんと生活していけるだろうか」「老後のお金は足りるだろうか」といった将来に対する心配事や不安でいろいろと考え込んでしまい、頭がさえて眠れなくなることもあるでしょう。

最近では、そうした悩みがあると、睡眠導入剤や精神安定剤を処方してもらう人が増えているようです。しかし、薬の中には胃腸の調子を悪くするなどの副作用や、依存性の強いものもあるため、安易な使用は控えましょう。

古くから知られていたクワンソウの睡眠作用

そうした中、自然な睡眠を誘発し、不眠の解消に役立つとして、注目を集めている食品があります。それが、沖縄の伝統野菜である「クワンソウ」です。

クワンソウとは、沖縄本島や、その周辺の島々から台湾にかけての亜熱帯地域に自生するユリ科の多年草で、和名をアキノワスレグサといいます。

クワンソウは繁殖力が強く育てやすいこともあり、昭和30年くらいまで、沖縄に住む人たちは自宅の庭先で栽培していました。

花のつぽみを採取してお浸しにしたり、葉や葉の根元の部分を豚肉や鶏肉といつしょに煮込んだり、炒め物や汁物の具にしたりして、食材として日常的に利用してきたのです。

さらに、クワンソウは、興奮やイライラを鎮め、睡眠を誘発する薬草として古くから重宝されてきました。寝つきが悪いときや、眠りが浅くて夜間に目覚めてしまうときに、クワンソウを食べると、その晩はぐっすり眠れる、と伝えられてきたといいます。

ちなみに、琉球王朝(15~19世紀にかけて沖縄本島を中心に存在した独立王国)の時代から、クワンソウは眠りを誘う薬草として知られていて、「眠り草」を意味するニーブイ草とも呼ばれていました。

ノンレム睡眠が40分も増加した

では、なぜクワンソウは、不眠の解消に役立つのでしょうか。クワンソウの含有成分を調べたところ、オキシピナタニンという特殊な構造を持つアミノ酸様物質が豊富に含まれていることがわかりました。実はこのオキシピナタニンこそが、不眠の解消に効果があることを、マウス(実験用のネズミ)を用いた実験で突き止めたのです。

まず、合計8匹のマウスを用意し、4匹には水だけを、残りの4匹にはオキシピナタニンが含まれた粉末食品を経口投与しました。そして、檻の中にいるマウスの5時間分の運動量を特殊な測定器を用いて測定し、比較しました。

試験の結果、オキシピナタニンを投与したマウスの運動量は水のみを与えたマウスに比べて優位に減少し、鎮静効果のもたらされたことが判明したのです。

これは、興奮やストレスが抑制され、入眠しやすい状態になったことを示唆します。

また、マウスを用いた別の試験では、オキシピナタニンを与えたことで、睡眠量が増加することも確認しました。

試験では、まず、合計14匹のマウスを用意し、適度なストレスを与えて疲労させました。

次に、9匹のマウスにオキシピナタニンを与え、残りの5匹には水を与え、それぞれ3時間にわたり脳波を測定する形で、睡眠状態を調べました。

その結果、水だけを与えたマウスのグループよりも、オキシピナタニンを与えたマウスのグループのほうが、覚醒時間の減少が認められたのです。さらに、深い眠りの状態を表すノンレム睡眠の累積時間は、オキシピナタニンを投与したグループのほうが40分も長くなっていたのです。

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