腰痛やひざ痛、股関節痛の大きな原因はエラスチンの減少

靭帯や筋肉、軟骨の弾力が年とともに失われていく

年とともに悩む人が増える腰痛やひざ痛、股関節痛の発症には、関節の内外で関節を守り、関節が正常に働くのを助けている靭帯(骨と骨をつなぐ丈夫な線維組織)や筋肉、軟骨の弾力が年とともに失われていくことが関係しています。

靭帯・筋肉・軟骨の弾力が失われる大きな原因としては、これらの組織に豊富に含まれ、その優れた弾力を生み出す源となっている「エラスチン」という成分の減少があげられます。

エラスチンとは、非常に弾力性に富んだたんばく質線維の一種です。エラスチンは、同じくたんばく質線維の一種で、みなさんもよくご存じのコラーゲンに絡みついた状態で存在しています。

靭帯の約8劃をエラスチンが占める

エラスチンは、皮膚や靭帯、軟骨、血管(動脈)、肺に豊富であるほか、筋肉の弾力に大きくかかわっている筋膜(筋肉の表面や内側にある膜)や腱(筋肉と骨をつなぐ組織)にも含まれ、これらの組織や器官の柔軟性と弾力性を生み出す源となっています。

特に、靭帯はエラスチンを非常に多く含む組織で、水分を除いた構成成分の約8割がエラスチンによって占められていることがわかっています。

靭帯は、関節運動の方向や範囲をほどよく制限し、関節に無理な力がかかるのを防いだり、関節がはずれないように安定させたりするといった働きを担っています。靭帯は関節を正常に機能させるために非常に重要な組織ですが、その機能が存分に果たされるためにはエラスチンは絶対に欠かせないというわけです。

また、エラスチンは、背骨にある椎間板にも存在します。椎間板は背骨を構成するいくつもの椎骨の間にサンドイッチのように挟まれており、その弾力によって、背骨にかかる衝撃を吸収・分散させています。こうした椎間板の主要な機能を強く支えているのもエラスチンなのです。

エラスチンは50歳には最盛期の半分に減る

ところが、残念ながら体内のエラスチンは、年とともに失われていきます。エラスチンは、幼少期までは体内で盛んに生成されますが、20歳を過ぎてからは減るいっぽうで、50歳を迎えるころには最盛期の半分の量にまで減少するといわれています。

靭帯・筋肉・軟骨からエラスチンが失われれば、当然、これらの組織に備わる弾力も衰えていきます。

みなさんの中には、若いころに比べて体が硬くなったと感じている人が多いと思いますが、これは加齢によって体内のエラスチンが不足し、靭帯や筋肉の弾力が衰えた証拠といえるでしよう。

そこで必要となるのが、減ってしまったエラスチンをなんらかの方法で増やすことです。エラスチンを体内に再び増やすことができれば、衰えた勒帯・筋肉・軟骨の弾力が回復し、ひいては腰痛やひざ痛、股関節痛の予防・改善につなげられるはずです。

サプリメントなどを利用

その方法としておすすめなのが、エラスチンを食事などで補給し、体内での合成を促すことです。エラスチンは、私たちの体だけに存在するわけではなく、身近な食品にも含まれています。

例をあげれば、哺乳動物の皮膚・血管・靭帯、魚の皮・血管ては、牛や豚のスジ肉やハツ(心臓)があげられます。また、鶏の皮や小魚などにもエラスチンが多く、補給食になると考えられます。

靭帯・筋肉・軟骨の弾力の回復をめざすには、ふだんの食事でこれらの食品を積極的に食べて、エラスチンの補給に努めるようにすべきでしょう。

ただ、毎日の食事でこれらの食品を継続的に補うのは難しい、と感じる人も多いと思います。

最近では、エラスチンが手軽にとれるサプリメントがドラッグストアや通信販売などで市販されています。エラスチンの補給にこれらの食品を活用するのもいいでしよう。

エラスチンの合成を促すビタミンAとK

体内でエラスチンの合成を促す方法としては、エラスチンが含まれる食品を補うほか、合成を促す栄養素をとるのも有効と考えられます。

最近の研究では、ビタミンAとKに、体内でのエラスチンの合成を促す働きのあることが確かめられています。毎日の食事では、エラスチンの補給に加えて、これらのビタミンも意識してとるようにしましょう。

ちなみに、ビタミンAを多く含む食品としては、豚・牛のレバー、ウナギ、ノリ、モロヘイヤ、ニンジンなどがあります。ビタミンⅩは、納豆、抹茶、ワカメ、アシタバなどに多く含まれます。

ただし、血栓予防のためにワーファリンを服用している人では、ビタミンKを多くとると薬の作用が弱まる危険のあることがわかっています。

こうした人は、ビタミンKの積極的な摂取は控えてください。

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