自律神経のバランスをチェックして生活習慣を見直しましょう

見た目からの情報が治療の手がかりになる

「人は見かけによらない」などといいますが、医師は、患者さんの顔色や表情、骨格、声の調子などから、病気の状態を診ることがあります。

最近は、患者さんの顔を見もせず、パソコンの画面だけを見て診断する医師もいると聞きますが、普通は考えられません。

人間の体には、検査の数値だけではわからないことが、たくさんあります。患者さんの目を見て話をすることで得られる情報が、治療への手がかりとなるのです。

もちろん、体内の組織は肉眼では見えないので、採血などを行って、専門機関で分析してもらう必要があります。内臓や血管の働きを支配する自律神経については、血液中の白血球の構成を調べることで、そのバランスがわかるようになりました。

ご存じのように、私たちの体は、意思とは無関係に内臓や血管、汗腺や唾液腺などを調整する自律神経が支配しています。自律神経には、心身を活動的にする交感神経と、休息に導く副交感神経があり、その二つがバランスを取って働いています。

交感神経と副交感神経が、時と場合に応じて正しく機能していると、病気にかかりにくく、病気になっても重症にならずに治ります。つまり、「免疫力の高い状態」といえるでしょう。

逆に、自律神経のバランスがくずれると、病気の発症や長期化につながります。

自律神経のバランスを調べる

血液中の白血球のうち、顆粒球とリンパ球の比率を調べることで、自律神経のバランス(=免疫力)がわかります。

自律神経のクリニックには、パーキンソン病のような神経系の難病や、リウマチやガンなどの難治性疾患の患者さんが数多く来院します。こうした患者さんのなかには、薬を長期間服用している人が少なくありません。

炎症をおさえるためのステロイド剤(副腎皮質ホルモン剤)や免疫抑制剤などを飲み続けると、交感神経が緊張し、リンパ球が10%台まで落ち込むことがあります。リンパ球の比率は35~41%が正常なので、10%台は深刻な状況です。

クリニックでは、初診時に必ず採血を行い、リンパ球比率を調べます。数値が悪ければ定期的に調べます。そのほか、患者さんに心身状態を聞いたり、顔色や表情などを診察したりすることで、おおよその状態を把握していきます。

1~3カ月に一回チェックするとよい

あるクリニックで初診患者さんの自律神経の状態を診る際に使用している「チェックシート」があります。あくまでも目安なので、自律神経の状態を正確に表すわけではありませんが、傾向はわかります。

今回、リンパ球の比率が20%未満の患者さん24人のチェックシートを分析しました。

すると、「冷え」は71%の人が「ある」と答え、「肩こりが強い」「イライラする」「尿回数が多い」「動悸が起こりやすい」「唾液が少ない」には58%の人が、「はい」と答えていました。実際のリンパ球比率と、チェックシートのタイプ分けが、ある程度合致していると見ていいでしょう。

皆さんもぜひ、1~3カ月に1回、自律神経のバランスチェックを行ってください。そして、バランスが整うように、生活習慣を見直しましょう。

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