若さと健康維持に役立つ「足首回し」

足首は全身のバランスを保つ重要な場所

首は、体の中でもきわめて重要な場所です。呼吸をつかさどる気管や食物を運ぶ食道、脳へ血液を送る頚動脈、脳と体をつなぐ神経、どれも皆、首を通っています。

ところで、体ではこの首という漢字を使うところがあと2カ所あります。「手首」と「足首」です。東洋医学の視点で見ると、この2カ所には重要なツボが集まっています。首と同様、手首と足首も、健康の維持に深くかかわっているところなのですが、今回は、足首に着目してみましょう。

二足歩行を会得した人間にとって、足首は体の中で最も重要な負荷のかかる関節です。

体は、耳にある三半規管で平衡感覚を感じます。その情報が延髄、小脳を経て足首に伝わることで、人間は全身のバランスを保ち、2本の足で立ったり歩いたりできるのです。三半規管に異常があれば、めまいなどを起こすように、足首に異常があれば全身のバランスは保てません。

東洋医学の視点で見ても、足首は重要な場所です。東洋医学では、全身を気という生命エネルギーが巡っていると考えます。この気の通り道を経絡(けいらく)と呼びます。

その経絡上にある、「道の駅」のような場所がツボです。ツボは臓器や器官などと関連があり、ツボを刺激することで臓器などの弟子や全身のバランスを整えることができます。

臓器と深いかかわりがある

ツボの中には、臓器と深いかかわりのあるものがあります。

これを「原穴(げんけつ)」と呼びます。原穴は、東洋医学で特に重視されているツボです。

鍼灸師は原穴に触れて、体の状態を確認したりします。

体力が低下していたり、なんらかの不調があったりするときは、原穴を押すと痛みなどの異常が感じられるからです。この場合、原穴を適切に刺激してやることで体は健康を取り戻します。手首と足首には、この原穴がたくさんあるのです。

足首には、六つの経絡が適っています。その経絡と、経絡上にある原穴、対象となる病気や症状は以下のとおりです。

血圧の安走なども期待できる

①足の太陽膀胱経(原穴・京骨:けいこつ)

最も長い経絡で、鍼灸治療ではさまざまな病気や症状の治療に用いられています。膀胱炎や頻尿などの泌尿器科系の病気、座骨神経痛に使われ、血圧の安走なども期待できます。

②足の少陽胆経(原穴・丘墟:きゅうきょ)

①に次いで長い経絡で、多くの病気に用いられます。顔面部や耳の症状、肩こり、座骨神経痛などの痛みの緩和や、肝臓疾患にも使われることがあります。

③足の陽明胃経(原穴・衝陽:しょうよう)

胃を中心とした消化器系の病気全般に関連する経絡です。胃痛や下痢、便秘の解消などに用いられます。

三陰交は万能のツボ

④足の太陰脾経(原穴・太白:たいはく)

③と合わせて消化吸収機能の改善に用いられる経絡です。この経絡の足首の辺りには三陰交(さんいんこう)という重要なツボがあります。三陰交は万能ツボとも呼ばれており、特に生理痛や更年期障害などの女性特有の症状に効果のあることで知られています。

⑤足の少陰腎経(原穴・太渓:たいけい)

東洋医学では、腎は生きる力の源(生命力)と考えられています。この程絡の流れをよくすれば、全身の活力アップが期待できます。ストレスによる疲れや無気力、頻尿や膀胱炎など泌尿器科系のトラブルにこの経絡は使われます。また、④と合わせて糖尿病の患者さんに用いられることもあります。

⑥足の厥陰(けついん)肝経(原穴・太衝:たいしょう)

冷えやむくみなど血液の循環不全から起こる症状や、ストレスによるイライラなど、気の流れの停滞が原因で起こる症状によく用いられる経絡です。精神的なトラブルへの治療経絡としても知られています。

老化は足から始まる

以上のように、足首の経絡は全身の健康と深くかかわっています。また、便秘解消、代謝アップなどの相乗効果により、体の引き締めも期待できるでしょう。

足首への効果的な刺激は、健康の維持に役立つはずです。

例えば、「足首回し」は、この原穴を簡単に刺激できると思われます。原穴の位置は専門知識がないと簡単には見つけられません。しかし、足首を回すだけなら誰でもできます。

「老化は足から始まる」という人もいます。歩行は足首にある原穴を刺激できるため、足が衰えて歩けなくなれば、全身の衰えが進むのは当たり前かもしれません。足首回しなどの刺激は、ひざや腰が悪くて歩けない人でも容易にできるはずです。

若さと健康維持に役立つ足首を、見直してみてはいかがでしょうか。

スポンサーリンク


  • このエントリーをはてなブックマークに追加