リノール酸が多く含まれているサラダ油をとりすぎると物忘れや認知症の危険性が

アルツハイマー病の新原同物質とは

これまで、アルツハイマー病の原因物質として最も疑わしいと世界的に信じられてきたのが、アミロイドβというたんばく質でした。アミロイドβが脳内に異常に蓄積するところから、アルツハイマー病が発症するとされてきました。

しかし、ここ10年ほどの間に、脳にアミロイドβがどの程度たまっているか、PET検査(ポジトロン断層撮影法)を使って正確に調べられるようになったのです。

その結果、興味深い事実が明らかになりました。アミロイドβが脳内に多量に沈着していても、まったくボケていない高齢者がたくさんいることがわかったのです。

この事実が判明して以来、アミロイドβがアルツハイマー病の主犯であるという説を疑う研究者が増えてきました。

脳科学専門医で医学博士の山嶋哲盛先生もその一人です。山嶋先生は、自分の研究を踏まえて、アミロイドβ説に代わる説を提唱しています。それが、毒性物質(神経毒)であるヒドロキシノネナールがアルツハイマー病の原因物質であるという説です。

私たちの細胞は細胞膜によって守られていますが、この細胞膜の主成分が、オメガ6系やオメガ3系の2系列に分類される多価不飽和脂肪酸です。

このうち、オメガ6系に属する多価不飽和脂肪酸の代表が、リノール酸です。私たちが日常生活で多量に摂取しているサラダ油には、リノール酸が多く含まれています。

脳の海馬は、最も酸化ストレスに弱い部分

リノール酸が細胞膜に取り込まれるとき、活性酸素(体内で増え過ぎると細胞を傷つけ老化の一因となる物質)によって、リノール酸が酸化されて生じるのが、ヒドロキシノネナールという物質です。

ヒドロキシノネナールが生じ、細胞膜の一部が酸化されて「さび」が生じると、そのさびは隣接する部分へと、どんどん広がっていきます。その現象が神経細胞に起こると、どうなるのでしょうか。

ヒトの細胞内には、「リソソーム」という再生工場のような小器官があります。細胞内で古くなったたんばく質を、「熱ショックたんばく」という物質が誘導して、この再生工場でリサイクルさせるのです。熱ショックたばくがよく機能している間は、神経細胞内に、アミロイドβが蓄積されてきても害にはなりません。

しかし、ここにヒドロキシノネナールが存在すると、この毒性物質が熱ショックたんばくを酸化し、分解してしまいます。その結果、リソソーム自体が壊れて爆発し、それが神経細胞の死を引き起こすのです。

しかも、ヒドロキシノネナールが存在すると、アミロイドβが蓄積していなくても、加齢による動脈硬化が進行します。

動脈硬化の進行によって脳の血流が低下していくと、神経細胞は徐々に死へと向かいます。そもそも記憶の指令センターともいうべき脳の海馬は、最も酸化ストレスに弱い部分だからです。

良質な油で脳のネットワークが回復

目や耳から人力された情報は、脳内に入ると、瞬時に神経細胞のネットワークを伝わっていきます。情報がよく伝わるためには、神経細胞同士の接合部である「シナプス膜」で、神経伝達物質がスムーズにやり取りされることが重要です。

ところが、リノール酸を多く含んだサラダ油を過剰に摂取し続けていると、シナプス膜がさびて、情報が十分に伝達されなくなります。

その結果、起こってくるのが、物忘れや注意力の低下です。うつ、ひきこもり、怒りっぽくなる、キレやすくなるといった精神の不安定な症状も、これと同様のメカニズムから生じると考えられます。

このさびに気付かずに放置していると、やがてシナプス膜だけではなく、リソソームにもさびが生じ、細胞自体が劣化し、ついには、神経細胞が死ぬことになります。

神経細胞の死滅が続くと、海馬がしだいにやせ衰えて、記憶力が低下します。神経細胞の死滅がさらに進めば、物忘れから認知症へと症状が進行することになるのです。

→認知症やうつの予防のために、サラダ油の摂取をやめて、質のよい油の適量の摂取を心掛ける

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