「寝たままゆらす」手法に興味を持った
皆さんは、スポーツの専門誌などで、「運動生理学」という言葉を目にされたことがあるかもしれません。
運動生理学は、大阪市立大学教授の渡辺一志先生の専門分野である、健康・スポーツ科学(健康やスポーツ活動を科学的に分析する学問)の中の、中心的な研究領域の一つです。
簡単に言うと、運動生理学は、運動をすることによって、呼吸器系、神経系、循環器系などの体の機能がどう変化し、適応するかを調べて、そのメカこズムを研究する分野です。
日本では、50年前の東京オリンピックをきっかけに、多くの大学でこの分野が研究されるようになり、渡辺先生も長く研究に携わってきました。
渡辺先生は、数年前からは、運動生理学に関連した民間の研究会を主宰しています。その研究会で森明彦さん(と出会い、「ゆらぎ体操」の存在を知ったのです。
ゆらぎ体操は、あおむけに寝た姿勢のまま、心地よいリズムで体をゆらゆらと揺らしながら全身を動かしていく、という体操です。
まず渡辺先生は、寝た状態のまま体を揺らす、という独特の手法に興味を持ちました。そこから、ゆらぎ体操をすることによってリラックス効果を得たり、痛みが改善したりする人がいるという、この体操の効果に注目しました。