がんの危険性を抑えるには科学的根拠の確かな情報をつかむ

情報の質をよく見極めることが大事

これを食べればがんを防げるとか、こうすれば絶対にがんにならないという方法は、残念ながらありません。しかし、いろいろな条件を考慮しながら、できるだけがんの危険性を抑えることは可能です。

がんに限らず、健康や病気に関する情報は、さまざまなところから発信されています。あふれる情報に、いったい何を信じてよいのか迷ってしまうという人もいます。

大切なのは、その情報が確かな科学的根拠(エビデンス)に基づいたものかどうか、情報の質をよく見極めることです。一つや二つの研究成果だけに基づいて出された情報に振り回されるのはかえって危険です。

こうしたことから、多くのがん研究者が、世界中からできるだけ多くの情報や研究結果のデータを集め、その中で信頼性の高いものを見出そうと努めてきました。

それをまとめたのが、世界がん研究基金と米国がん研究所による報告書です。

がんになる危険性を上げるものを遠ざける

この中には数千に及ぶ疫学研究が収められていますが、観察型の研究の中で最も信頼度が高いのが「コホート研究」です。

コホート研究は、ある地域の住民や職域の集団などを対象に、何年問にもわたって追跡調査をするものです。例えば、日本の国立がん研究センターでは、約10万人を対象に食事を含む生活習慣調査を行い、その後、長期にわたってがんの発症を調べる大規模なコホート研究を行っています。

そして、食塩摂取量の多いグループと少ないグループ、アルコール摂取量の多いグループと飲まないグループというようにさまざまな条件でグループに分けて比較し、がんの発生に関する要因を検索しています。

このような研究報告から、がんの危険性を下げるもの、危険性を上げるものが明らかになってきています。

世界がん研究基金と米国がん研究所による報告書では、確実性の高いほうから「確実」、「ほぼ確実」、「可能性あり」、「証拠不十分」という4つのランク付けをしています。

これを生かして、危険性を下げることが「確実」「ほぼ確実」とされるものを取り入れ、危険性を上げることが「確実」「ほぼ確実」とされるものを遠ざければ、おのずとがん予防につながると考えられます。

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