問診では日常生活への影響を確認
前立腺肥大症の診断のポイントは、自分がどれだけ困っているか、日常生活にどれだけ影響を与えているかをみることにあります。困っていなければ、無理に治療をする必要はないからです。
問診ではその点を確認するために、国際前立腺症状スコア(Ⅰ-PSS)、QOLスコアがよく用いられ、ここで出
た得点が治療の参考にされます。
さらに、症状の程度を正確に伝えるために、医療機関へ行く際は、自分でつけた3日間くらいの排尿の記録を持参するとよいでしょう。
そのほか、医療機関により多少異なりますが、次の検査を行います。
●検尿
血尿や、膀胱炎、腎孟腎炎などといった尿路感染症の有無を確認します。
●直腸診
前立腺の大きさとしこり(がん)の有無をみるために、医師が肛門から指を入れて確認します。
●PSA検査
血液検査によりPSAの値を調べることで、前立腺がんの可能性を調べます。早期の前立腺がんは症状がないことが多いので、検査で確認します。
●残尿淵定
排尿後に、膀胱に尿が残っていないか、超音波エコーを使って調べます。
●尿流測定(ウロフロメトリー)
尿の流れる勢いを調べるもので、センサー付きの便器に排尿するだけの検査です。尿が細い、勢いがない、途切れるといった症状が、どのくらいの程度なのかを、数量と波形で確認します。