補助人工心臓はなぜ必要なのか

開心術後の心臓機能の補助を目的に開発

そもそも、補助人工心臓はどうして必要なのでしょうか。その開発の経緯は、心臓手術の方法を知ることで浮き彫りになってきます。

心臓手術には、大きく分けて非開心術と開心術の2種類があります。非開心術は心臓表面や心臓から出る血管に対する手術で、心臓の拍動を止めずに行います。一方、関心術は心臓内部を手術するために心臓を一時的に止めて行います。

心臓外科が専門で補助人工心臓に詳しい東京大学大学院医学系研究科の小野稔教授によると、30年以上前までは、ほとんどの心臓手術は開心術によって行われていたそうです。

「一時的ではあっても、心臓を止めるということは『死』を意味します。そのため、手術で心臓を止めるときは、心臓機能が受けるダメージをできるだけ小さく抑えることが重要です。しかし、以前は心筋を保護する方法があまり確立されていませんでした。そのため、手術後に心臓機能が回復せずに、ひどい心不全に陥ってしまうことが非常に多かったのです」

もともと補助人工心臓は、こうした重症の心不全に陥った患者さんの心臓機能を短期間補助し、心臓が回復するのを待つことを目的に開発されました。

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