医師による排尿トラブルQ&A

腹圧性失禁です。手術をするかどうかで迷っています。(女性)

A.現在、腹圧性尿失禁の手術は、TOT手術やTVT手術といった体への負担が少なく、完治する率の高い手術法が登場しています。これらの手術法を行った患者さんの感想として「こんなに簡単な手術なら、もっと早くやればよかった」という声を聞きます。

ただ、手術には当然ながらリスクもありますし、腹圧性尿失禁は良性疾患で命に関わる病気ではありません。あくまでも患者さん本人が自分の症状と日常生活上の不便さを考えて、手術をするかどうかを判断されるべきと考えます。

軽い尿もれがあるのですが、医療機問を受診したほうがよいでしょうか。市販薬で治療できませんか。(女性)

A.40歳以上の女性の4割以上が、週1回未満の軽い尿もれを経験しているという報告があります。症状にもよりますが、必ずしも受診が必要なケースだけではないと考えます。

しかし、外出するとき、生理ではないのにナプキンを持っていく、映画を観ている最中でもトイレが気になる、バス旅行はトイレが不安など、普通の生活や自分の楽しみが妨げられると感じた場合は、適切な治療が必要です。

市販薬の一つのメリットは、治療への敷居を低くすることです。市販薬を使って少しでも症状が改善すれば薬による治療の効果がわかります。もっと症状を改善したいと思うきっかけともなります。

市販薬を買う際には、薬剤師さんに相談してみることも重要です。他人に告白できる機会を持つことがこの病気では大変重要で、話してみれば自分だけが悩んでいる病気ではないことがわかり、恥ずかしさの克服につながります。

排尿の回数が増えたような気がします。前立腺肥大症の場合、放置すると病気が進行するのでしょうか。

A.前立腺肥大症は、最初は軽い症状から始まり、しだいに重い症状へ進行するという考え方が以前はありました。病期を第1期から第3期に分け、第1期は頻尿や尿意切迫感などの軽い症状の時、第2期は肥大が進み残尿が発生した時、第3期は尿が出なくなる尿閉に進行した時としていました。

しかし、最近ではこのような進行をたどる人は一部で、ずっと軽い症状の人もいれば、ほぼ無症状だったのがにわかに第2期や第3期になったりするなど、非常に個人差の大きいことがわかってきました。

軽い症状の場合、受診するかどうか判断に迷うと思います。排尿障害が繰り返し生じていたり、生活に影響があって悩んでいたりしたら、一度は診察を受けたほうがよいでしょう。

毎日の尿量が3000mlくらいです。水分の摂りすぎでしょうか。(男性)

A.成人の1日の尿量は平均で1500~2000mlとされています。尿量が3000mlというのは、水分過多といえるでしょう。ただ、特にトイレが近いなどの悩みがなければ、問題はありません。ちなみに1日の水分の摂取量は、食物中に含まれる水分が約3分の1とされており、残りの3分の2が飲水量の目安になります。

最近、血液をサラサラにすると思って、2000ml以上の水分摂取を日課としている人が少なくありません。血液がドロドロな状態では脳梗塞や心筋梗塞を起こしやすいという理由からのようですが、水分の過剰摂取で血液の粘調度が変わるという科学的根拠はありません。

水を飲むだけで変化したら、人間の体にはさまざまな異変が起きてしまいます。

スポンサーリンク


  • このエントリーをはてなブックマークに追加