「糖尿病が疑われる」との結果が出たら、かかりつけ医を受診しましょう

糖尿病を放置する人が増えている

糖尿病の患者をみると毎年増え続けています。2015年には全国の糖尿病患者数は890万人、糖尿病の可能性を否定できない人を含めると2210万人にのぼっています。

日本人は定期的に健診を受け、病気が判明すると医療保険の下で、安価に世界最高水準の治療が受けられる環境にあります。ところが、健診で「血糖値が高い」と言われても治療を受けずに放置している方が非常に多いのです。「糖尿病放置病」が蔓延しているのです。

軽症でも高い心筋梗塞・脳梗塞のリスク

東京の中心にある病院にも、「朝起きたら目の前がぼやけて見えない」と駆け込んでくる方が毎週のように来られます。糖尿病性網膜症による眼底大出血です。高度な検査と治療を受ける機会に恵まれた日本において、未だに糖尿病のために中途失明する方が、網膜症、白内障、緑内障で1万人近くもおられるのです。

また糖尿病性腎症で腎不全となり人工透析を受けなくてはならなくなる方が毎年2万人弱もおられます。とても残念なことですが、その理由の大半は10年、15年と糖尿病を放置していたことであろうと思われます。

順天堂大学病院は20数年前に糖尿病の方では健常人に比べ、20年も早く動脈硬化症が進行していることを、頚動脈エコー法で証明しました。順天堂大学病院には、年間数百例の方が脳梗塞で緊急入院なさいます。その半数は「糖尿病の治療を受けている」と申告されます。

しかし、退院時にブドウ糖負荷試験をしてみると、正常な方は10%に満たないのです。すなわち、わずかな異常がある時期に、動脈硬化症は確実に進行し続けている、と考えられます。同様のことが心筋梗塞で入院してきた方にも当てはまります。

病気が軽症であっても、年齢が若くても、糖尿病患者は放置すると、心筋梗塞や脳梗塞を起こす危険性が高いと言わざるをえません。でも、なぜこの方々は放っでおいたのでしょうか。理由は二つ考えられます。

一つは「糖尿病に長年気が付かなかったから(=健診を受けていない)」、もう一つは「高血糖と言われていたけれど、無視していたから」です。

糖尿病は症状のない病気ですから、検査を受けなければ見つけられません。ですから健診で「糖尿病が疑われる」との結果が出たら、「軽症だから大丈夫」と糖尿病を甘くみないで、かかりつけ医を受診し、お一人お一人に合った、食事・運動・薬物療法を的確に指導してもらってください。

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