糖尿病で薬物療法を勧められたら

むやみに恐れる必要はない

食事療法と運動療法を2~3カ月実践しても血糖値が高いままで、効果が現れない方がいます。かかりつけ医が「食事療法と運動療法だけでは血糖コントロールが難しい」と判断したときには薬が処方されます。

「薬は飲みたくない」とおっしゃる患者さんが多いのですが、そのままにしでおくとすい臓に負担がかかり、インスリンの分泌が今後ますます低下していくことになります。薬の力を借りて、「すい臓に余力を残しておくこと」は、治療の上で最も重要なポイントなのです。

薬を飲んででも、すい臓からインスリンが分泌されるようにしておきさえすれば、元の状態に戻ることは可能です。薬は強力な助っ人と考えてください。むやみに恐れる必要はないのです。

血圧やコレステロールの薬と違って、糖尿病の薬にはたくさんの種類があります。飲み薬では「食後の血糖値の上昇を抑える薬」「インスリンの働きをよくする薬」「インスリンの分泌を高める薬」、そしで最近では「インクレチン標的薬」も加わって、糖尿病の薬物療法も以前とは変わってきました。

これらの薬は小腸、肝臓、筋肉、すい臓など働きかける場所が異なり作用が異なりますので、患者さんの血糖値の状態、インスリンの分泌の状態、インスリンの働きの程度などをみて、どの薬を飲んでいただくかを決めていきます。

軽いうちから始めることも

治療の基本は「朝食前はいうまでもなく、食後だけでも血糖値が高い状況を是正する」ことですから、まだ軽いと考えられるうちから開始することもあります。

まず、食前に「食後の血糖値を下げる薬(α-グルコシダーゼ阻害薬)」を飲んでいたただいて、糖質の吸収をゆっくりにします。これによりブドウ糖が一気に肝臓へ流れ込むのを防げます。さらにインクレチン標的薬やインスリンの分泌をよくする薬など、作用の異なる薬を組み合わせて飲んでいただく場合もあります。

これらの薬により、インスリンが肝臓へ素早く供給され、肝臓がブドウ糖をたくさん取り込めるようになるのです。

肥満気味や脂質異常症(悪玉コレステロールが高い)の方であれば、ピグアナイド薬やチアリゾン薬などインスリンの作用をよくする薬が処方されます。

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