伝染性紅斑は妊婦さんへの感染に注意

感染すると大人のはうが重篤化する伝染性紅斑

伝染性紅斑は2~9歳の幼児や学童に好発しますが、大人にも感染する病気です。本来は子どもの病気ですが、子どもが感染しても重症になることはあまりなく、大人のほうが重篤になる可能性が高いという点は注目すべきでしょう。

大人も子どもも、感染から約7日後に鼻水や微熱といった感冒様の前駆症状が現れることがあります。感染から10~20日後になると、子どもはほおが赤くなるのに対し、大人は頭痛、掻痺感、発熱、関節痛、関節炎、筋肉痛など多彩な全身症状が現れます。

特に腰部の関節炎と関節痛は成人男性の約30%、成人女性の約60%という高率で発症するとの報告があります。関節痛は重く、1~2日くらいは歩行が困難なほどの痛みを伴うことがあります。ただし、関節自体に問題があるわけでなく、原因はあくまでもウイルスですから、感染症が治り次第、関節痛も解消します。

流産、胎児水腫のリスクがある妊婦の感染

伝染性紅斑が大人に感染した場合、最も深刻なのは、妊婦さんへの感染です。流産や胎児水腫を招く危険があるからです。胎児水腫とは、胎児の心臓の周囲や腹部、胸部などに液体が貯留する病気です。

妊娠10カ月のうち、妊娠前半期のほうが後半期よりハイリスクといわれますが、後半期にも胎児に感染したケースがあると報告されています。

妊婦さんに感染すると危険であるという意味では、風疹に似ているかもしれません。伝染性紅斑の病原体である、ヒトパルボウイルスB19がその原因であることが明らかとなるまでは、長い間伝染性紅斑は風疹と間違えられていました。

ちなみに、伝染性紅斑の病原体がヒトパルボウイルスB19であると確認されたのは1983年のことです。現在でも、典型的な症状が現れない場合には、風疹と間違えられるケースもあるようです。

しかし伝染性紅斑は、風疹に見られるような、胎児に奇形を起こすことはありません。また妊婦さんが感染した場合、全員が流産や胎児水腫を引き起こすわけではないので、むやみに恐れる必要はありません。とはいえ、そうしたリスクがあることを知っておくことは重要です。

万一感染した可能性のあるときは、まず内科を受診し、ご自身の感染の有無を確認しましょう。その上で、産婦人科で胎児感染の有無を確認し、胎児の経過を超音波断層検査などできめ細かくチェックしてもらうことをおすすめします。

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