乳腺の中に隠れているようながんを描出できる「造影マンモグラフィ検査」

従来と最新技術の大きな違い

画像診断にはいくつかの目的があります。一つは異常があるかどうかを調べることです。

「マンモグラフィの画像にスピキュラといって周囲がトゲトゲしている腫瘤が見られたら、これはがんの存在を疑わせるものです。スピキュラを伴う腫瘤は、がんの特徴だからです」

水谷院長によると、こうしたスピキュラを伴う腫瘤を描出するのは、最新技術に限らず、マンモグラフィの得意とするところだそうです。

「乳がんの場合、細かくカルシウムの沈着した微細石灰化の密集(=集族)が起こることがあります。がん以外の原因で起こることもありますが、微細石灰化が見られたら、念のため異常の有無を調べる必要があります。この石灰化を映し出したり、構築の乱れを見つけるのもマンモグラフィの得意分野。これも従来のマンモグラフィで十分に可能です」

それでは、従来と最新技術の大きな違いはどこにあるのかというと、前述したように、通常のマンモグラフィでは困難だった密度の高い乳腺の中に隠れているようながんを描出できることです。

「映し出された腫痛が良性か悪性かを鑑別することも、従来のマンモグラフィでは無理があると言われでいました。また、がんがどこまで広がっていて、どこまで手術すればいいかという広がり診断も、従来のマンモグラフィは苦手としていました」

乳房を温存する方法がとれるかどうか

こうした良性か悪性かの「鑑別診断」、がんの広がりを知る「広がり診断」も画像検査の持つ重要な目的です。最新のマンモグラフィは、厚い乳腺の中に潜んでいる病巣を描出するだけでなく、鑑別診断や広がり診断にも威力を発揮することが期待されています。

「左右どちらかの乳房のある領域に、しこりだと断定できるほどの所見ではないが少し濃い影がある場合を、局所的非対称性陰影と言います。この局所的非対称性陰影や微細石灰化、構築の乱れがある場合に、さらに詳しい検査が必要かどうかを見極めるためにも、造影マンモグラフィ検査は有用です。陰影を鮮

明に映し出すだけでなく、良性の場合は正常組織に近いもの(=目立たないもの)として抽出し、悪性のものだけあぶり出せる可能性があるからです」

さらに、手術で乳房を温存する方法がとれるかどうかを判断する際にも役立ちます。

「術前に化学療法を行い、あらかじめがんを小さくしておくことがあります。これにより、通常は乳房を残すことが難しいケースでも、手術による切除範囲が小さく済み、温存が可能になるのです。術前の化学療法で病巣がどれだけ小さくなったのか、乳房を残せるまでに化学療法の効果があったのかを評価するのに、最新のマンモグうフィは役立つのではないかと期待されています」

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