「低出力超音波パルス治療」は特殊な治療

断続的な照射が骨折部位を刺激

骨折の治療では以前から強固な固定だけでなく、機械的刺激(メカニカルストレス)を加えたほうが、骨癒合が促進されるといわれていました。

「折れた脚を桧葉杖などで浮かせて歩くより、地面に着けて踵に刺激を与えたほうが、治りが早いということは経験的に知られていました。そこで、さまざまな機械的刺激が試みられましたが、そうした刺激の一つとして超音波を用いた研究が行われました」

しかし、当初は超音波の照射で効果は得られませんでした。出力や周波数を変えても同様で、温熱治療に使用される超音波治療器のような高出力では、逆に有害ではないかという声も出できました。

その声を打ち消したのがブラジルの研究者デュアルテです。周波数1・5MHz、出力強度30mW/cmの超音波で、特定のパルス状(断続的)にして照射すれば、骨折治癒の促進に有効であることを証明しました。

「30mW/cmというのは、胎児などの検査に用いる超音波診断装置の0・1~50mW/cmと同じレベル。非常に低出力で、安全性に優れているといえます。超音波を用いた温熱治療器の強度と比べると約100分の1程度の出力です。

また、通常の超音波診断装置は連続しで照射を行いますが、骨折の治療では1万分の2秒照射したら1万分の8秒停止する、パルス状の照射であることがポイントです。パルスが機械的な刺激となって組織を刺激し、骨癒合を促進するものと考えられており、連続照射で行った場合では、骨癒合に対して有効な結果は得られていません」

特に、パルス照射でも有効性や安全性が証明されているのは現在の照射条件のみです。いかに特殊な治療であるかがわかると思います。

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