「低出力超音波パルス治療」は全ての治療期間で有効

骨折直後でなくても治療効果が得られる

折れた骨が自然に修復していくプロセスは、炎症期、修復期、改変期の三つに分かれます。

骨折直後から始まる炎症期では骨折部を中心に血腫が形成され、炎症反応が治まるまでに数週間かかります。次の修復期では数週間から数カ月かけて仮骨(新しい骨)が形成され、その後、仮骨が吸収され本来の骨が形成される改変期が数カ月間続きます。

では、この三つの時期では、いつ超音波を当てるのがよいのでしょうか。

「九州労災病院整形外科の神宮司誠也医師がラットを用いた実験を行っています。ラットの骨折治療期間は24日間で、この期間を8日間ずつに分け、超音波を照射した群と照射しない群で比較したところ、照射した群では照射時期に関係なく骨癒合が促進されていたことが確認されました。また、三つのすべての時期に照射したほうが、1期だけの照射より治りが早いことも示されています」

この結果から、骨折部位に集まるさまざまな細胞に超音波が働きかけ、反応した細胞が骨癒合を促しているものと考えられます。早い段階で超音波を照射したほうが細胞の増殖が盛んで骨癒合が早まるとされますが、松下医師は、骨折してから半年、1年経過してからの照射でも、照射しないよりは効果があると言います。

また、この治療の特徴として、高齢者や喫煙者、糖尿病がある場合など骨折治癒が長引く患者のほうが、治療期間の短縮効果が大きいそうです。

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