「低出力超音波パルス治療」は自宅でも治療が可能で難治性骨折の7割に効果

効果が発現するまで早くて3カ月

実際の低出力超音波パルス治療の治療方法を説明しましょう。

この治療では、医療機器として国内で承認されている超音波骨折治療機器『セーフス』を用います。超音波の出る治療器のヘッド部分に専用ゼリーを塗り骨折部位に向けて固定、皮膚の上から20分照射します。

ギプスをしている場合は装置をつける面だけギプスを切り取り、そこに穴あきパッドを入れてセットします。照射中に痛みを感じることはないそうです。

「骨折の治癒期間は損傷の程度や全身状態などにより個人差がありますが、一般的には効果が発現するまで早くて3カ月、通常4、5カ月を要します。それまで毎日照射する必要があり、治療装置をレンタルして患者さん自身が自宅で治療を行うのが一般的です。

ヘッドを当てる位置はあらかじめ医師がレントゲンで骨折部位を確認後、油性ペンで皮膚に印をつけるので、患者さんはそれを日印にして装置を取り付けます。スイッチを入れてから20分経過すると自動的に電源が切れますが、装置は小型で取り扱いやすいので、高齢者でも問題なく使用できます」

帝京大学医学部附属病院では、この治療法をこれまで約300例の難治性骨折に行い、そのうち約70%で効果が得られています。手術をした場合の治癒率が約90%なので、超音波を当てるだけで70%というのは、かなりの高成績といえます。

治療機器『セーフス』の現在の薬事承認上の効能・効果は手や足の骨、上腕骨、大腿骨などの「四肢の骨折の治癒促進」です。先進医療として認められているのは、四肢の新鮮骨折で手術を行った場合に限られます。

ただし、このうち、開放骨折(皮膚や筋肉に損傷がある骨折)、または粉砕骨折(骨が砕けた骨折)に対する手術実施後で、骨折から3週間以内にこの治療を開始した場合は保険適用となります。難治性骨折についてはすべて保険適用です。

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