「ヘルスコミュニケーション」による意思決定のタイプ

情報は提供方法で受け止め方が変わる

従来、健康教育では不適切な健康行動を回避するために、さまざまな形でリスクを伝えてきました。

「運動をしないでいると心臓病になり、痛くて苦しい思いをしますよ」といったメッセージなどです。そのときメッセージを受け取った側には、2つの行動の可能性が考えられます。

①リスクを避けるために勧められた行動を取る(運動して心臓病のリスクを減らす)。

②リスクによる恐怖感を避けるために、考えないようにして勧められた行動を取らない(恐怖感そのものを減らす)。

後者の行動は、伝える側が相手のリスクヘの恐怖感を評価せず、それに対する配慮もないときに起こります。脅せば脅すほど、そこまで言うならもう駄目だと思ってしまうこともあるわけです。

リスクによる恐怖感を回避するためには、情報提供をしなければいいという考えもありますが、それでは納得のいく意思決定ができません。情報の受け止め方に対する支援が必要なのです。

意思決定には3つの方法がある

情報提供とコミュニケーションを通じて、医療者と患者の関係はより対等なものへと変化しつつあります。それでもまだ、医療者からの情報には強制力が伴う場合があります。

言われたことは「従わなくてはならないこと」になり、「言われた通りにできなくてつらい」ということも起こり得ます。これまで、医師が決定し患者はそれに従うという関係が当然のようにあったこともあるでしょう。

このような、医師を中心に決定する方法は、「パターナリズムモデル」(父権主義モデル)と呼ばれます。父親が小さな子どものためによかれと思って、子どもの意向をあまり聞かずに意思決定することから来ています。この「パターナリズムモデル」を含めて、現在、意思決定のタイプは、大きく3つあると言われています。

①パターナリズムモデル

患者に選択する能力がないという想定で、患者にはその機会を与えず医師が意思決定するものです。医師による意思決定の結果を話すだけで、医師が提倶する情報は少なくなります。

②シェアードデイシジョンモデル

医師と患者が話し合い、協働して意思決定する方法です。医師は提供する情報を制限せず、患者の意思決定に必要な情報をできる限り提供しようとします。互いに情報を共有し、選択の理由も共有するパートナーとなります。

③インフォームドデイシジョンモデル

患者が自分で主体的に意思決定を行うものです。患者は医師以外からも積極的に幅広く情報を収集、そのためにはヘルスリテラシーが必要になります。

意思決定の方法として、このような3つのタイプがあることも情報です。選択肢を知ることで、それぞれのベネフィットとリスクを考えることができます。

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