甲状腺の病気の検査

血液、超音波、アイソトープ検査などが行われる

甲状腺の病気が疑われる場合には、問診と触診を行った後で、次のような検査が行われます。

①血液検査

・甲状腺ホルモン量の検査

ごく微量の採血をして、血液中に分泌される甲状腺ホルモン量(FT4とFT3)を測定します。これらの数字によって甲状腺が正常に働いているかどうかを確認することができます。甲状腺ホルモンが過剰に分泌されていれば「バセドウ病」、甲状腺ホルモンの分泌量が足りなければ「橋本病」が疑われます。

・甲状腺刺激ホルモン量の検査

甲状腺ホルモンの分泌具合によって、脳から分泌される甲状腺刺激ホルモン量も変わってきます。そこで、甲状腺刺激ホルモン(TSH)の分泌状態も同時に調べます。

・抗体検査

甲状腺の病気のほかに女性に多い病気にリウマチがありますが、リウマチも甲状腺もどちらも自己免疫の異常がかかわっていると考えられています。なぜ女性に自己免疫に関連した疾患が多いのか、そこまではまだ解明されていませんが、抗体検査も甲状腺の病気の診断に不可欠です。

抗体検査で血液中に抗体が見つかると、自分自身の甲状腺や甲状腺刺激ホルモンを自分で攻撃している証拠になります。また、バセドウ病と橋本病では抗体値の異常の出方が異なるので、病気の判別に役立ちます。

具体的にはTgAb、TPOAb、TRAbという三つの検査が重要です。これらの抗体が見つかれば、現在のホルモン分泌量に問題がなくても、バセドウ病や橋本病の素因を持っていることがわかります。そして症状はなくても、注意深く経過を観察していくことになります。

・そのほかの検査

甲状腺ホルモン値とコレステロール値は反比例の関係にあります。よって橋本病が疑われる場合には血中コレステロール値を調べます。

これらの血液検査は結果が出るまでのスピードが早くなり、専門病院では、その日のうちに結果がわかるようになりました。

病気を特定できない場合にはアイソトープ検査を

②アイソトープ検査

血液検査で抗体が見つからず、病気を特定できない場合には、アイソトープ検査を行うことがあります。

ヨードが甲状腺ホルモンの原料になることは前述しましたが、この検査ではアイソトープという、体に害を与えない程度の放射性ヨードをカプセルで摂取して、甲状腺にどれくらい取り込まれるかを検査します。

甲状腺機能が克進していると、多くのアイソトープ(ヨード)が取り込まれていきます。健康な人の場合、10~35%程度が取り込まれますが、機能完進の状態だと40%以上が取り込まれます。

③シンチタラム検査

アイソトープを摂取した後、どの部位に取り込まれたかを見るためにシンチグラム検査を行うことがあります。これはアイソトープが発する放射線をγカメラでとらえて画像にしたものです。甲状腺の大きさや形もわかるので、診断に活用されています。

また、甲状腺がんの転移も写し出されるので、大きな手術の前後に、全身のシンチグラム画像を見ることもあります。

④超音波検査

甲状腺に腫れやしこりが疑われたときなどに行います。腫瘍の有無や、腫瘍の性質(良性か悪性か)を確認する検査です。

⑤穿刺吸引細胞診検査

がんが疑われる場合には、心配な箇所に注射器を刺し、針先についた細胞を調べる細胞診を追加する場合があります。

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