甲状腺の腺腫は、まず検査で良性か悪性かを鑑別

甲状腺がんは進行がゆっくりなものが多い

甲状腺に腺腫が見つかった場合には、まず検査で良性か悪性かを鑑別しなければいけません。触診で見当がつく場合もありますが、正確な診断が求められるときには、超音波検査をガイドに穿刺吸引細胞診(せんしきゅういんさいぼうしん)検査を行い、腫瘍の性質を見極めます。

甲状腺がんのほとんどは、ほかの臓器にできるがんと比べておとなしく、進行もゆっくりなものが多いので、早期に見つかり、手術を受ければ完治することができます。

しかしながら、まれに悪性度の高いものや、急に大きくなるものもあるので、きちんと鑑別することが大切です。

甲状腺摘出手術はこんな場合に行われる

良性であっても、極端に大きなもの、良性か悪性かの判断がつきにくいもの、または悪性の確定診断がついたときに、手術がすすめられます。

腫瘍の大きさ、性格、位置によって摘除する甲状腺の範囲が変わってきます。

最も大きな手術が、甲状腺の全てを摘出する「全摘術」です。全摘を行った後には、甲状腺がホルモンをつくれなくなるために、甲状腺ホルモン剤を飲み続けることになります。

全摘以外にも、葉切除(約半分を切除する)、亜全摘(大半を切除する)などがあります。

専門医の手術は安全に行われますが、術後に次のような合併症が現れることもあります。

・声が出にくい、呼吸しにくい

声帯の運動を司る反回神経に腫瘍が接していると、切除の際にこの神経を傷つけてしまう可能性もあります。その場合、声が出にくくなったり、かすれたり、呼吸がしにくくなったりします。

・手足がしびれる、痙撃が起こる

特に全摘術では、甲状腺に隣接する副甲状腺も切除しなければならないことがあります。そこで副甲状腺の働きが悪くなると、血液中のカルシウム濃度が低下して、手足のしびれや痙攣を起こす(テタニー発作)ことがあります。

この副作用を防ぐために、ビタミン剤を服用するなどして足りなくなったホルモンを補います。

悪性度が高ければ放射線照射やアイソトープ治療も

悪性度の高い未分化がんや、悪性リンパ腫の場合には、手術よりも、放射線照射やアイソトープ治療が中心となります。

また、分化がんであっても、進行が早く、手術で取り切れなかった場合にはこれらの治療を行うことがあります。

甲状腺がんが肺や骨へ転移した場合、術後にアイソトープ治療を行います。その際には、バセドウ病の治療よりも多い量の放射性ヨードを使います。

甲状腺を全摘出したとしても、甲状腺ホルモン薬を飲み続けながら定期的な検査を受けていれば、そのほかは普通の人と同じように生活をすることができます。

主治医とよい関係を保ち、病気と気長につきあっていきましょう。

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