免疫機能の中心的な役割を果たすリンパ球

さまざまな免疫細胞が連係しながら、私たちの体を病原体から守っている

免疫はどのように細菌やウィルスを排除したり、攻撃したりするのでしょうか。

病原体(抗原)から体を守る防御機構は、「皮膚・粘膜」、「自然免疫」、「獲得免疫」の3つのシステムに分かれます。細菌やウィルスが体内へ侵入するためには、3つのブロックを突破する必要があると考えてください。

それぞれのブロックでは血液に含まれる白血球が免疫細胞として働いています。白血球はマクロファージ、顆粒球、リンパ球などに分類されますが、共通した役割は体を異物から守ることです。

マクロファージは、生体内に侵入した細菌やウィルスなどを食べてしまう能力を持ち、B細胞による抗体(たんばく質)の作成にも関与します。

顆粒球は好中球、好酸球、好塩基球に分かれ、特に好中球は細菌などの異物を発見するとこれを食べてしまいます。リンパ球は異物を感知するセンサーを持ち、免疫機能で中心的な役割を果たします。

●第1ブロック=皮膚・粘膜

皮膚や粘膜は外界とのバリアとなっており、免疫細胞はバリアの下で体を守っています。感染防御においては、この皮膚・粘膜が第1ブロックの役割を果たします。

粘膜では分泌される唾液や粘液がくしやみや咳、疾となって病原体を体外に排出します。例えばかぜをひいているときの咳は、気管を攻撃し始めたウィルスへの生体の防衛反応です。気管と声帯が気流を起こし、ウィルスを排出します。

また、皮膚に広く分布しているラングルハンス細胞は、体内に侵入した異物の情報をリンパ球に伝え、免疫細胞に排除する命令を出させます。

●第2ブロック=自然免疫

皮膚や粘膜の防御を突破した病原体に対しては、生まれたときから体に備わっている自然免疫が応戦します。

自然免疫では好中球やマクロファージ、NK細胞が、最前線に立って攻撃します。マクロファージはヘルパーT細胞へ病原体侵入の信号も送ります。

好中球やマクロファージが細菌やウィルスをまるごと食べてしまうのに対して、NK細胞はウィルスに感染した細胞を識別し選択的に攻撃します。

●第3ブロック=獲得免疫

自然免疫を突破して生き残った抗原に対抗するのが、第3のブロックとなる獲得免疫です。獲得免疫は自然免疫とは異なり、生後、さまざまな抗原に感染することで身につきます。

ここで活躍するのはリンパ球のB細胞やT細胞です。B細胞は抗原を捕まえるために、どんな相手かという情報をマクロファージから得た上で、その抗原に有効な抗体を作ります。また、B細胞の一部は抗原の情報を記憶します。そして、同じ病原体が再び侵入してきた場合に、すぐに攻撃を開始します。

これは「免疫記憶」と呼ばれるもので、はしかや風疹に一度かかると、その後かからないのは免疫記憶のおかげです。ワクチンはその働きを応用したものと言うことができます。

一方、T細胞は大きく3つの機能を持っています。B細胞に抗体を作らせたり(ヘルパーT細胞)、抗原が取り付いた細胞を破壊したり(キラーT細胞)、免疫反応を終了させたり(制御性T細胞)するなどの働きがあります。

このようにさまざまな免疫細胞が連係しながら、私たちの体を病原体から守っています。

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