中高年の男性に増加中の閉塞性動脈硬化症

早めに血管外科で受診を

動脈硬化は、コレステロールやカルシウムが動脈の壁に染み込むように付着し、動脈が硬く狭くなって血液が流れにくくなる状態です。多くの人は、動脈硬化は心臓や脳の動脈にできるものだと思っているでしょう。実は下肢の動脈にもできやすいものですが、あまり知られていません。

下肢に動脈硬化が起こると、閉塞性動脈硬化症という病気になります。下肢に血行障害が起こり、しびれや痛みで長距離を歩けなくなるなどさまざまな症状が現れてきます。

アメリカでは、65歳以上の約15%が発症しでいる高頻度な病気であり、わが国でも、特に50代以上の男性に多く、年々増加しています。1970年代以降の30年間で、約5倍も増えているという調査結果もあります。

頻度は高くありませんが、下肢の動脈硬化による血行障害を放置すると、脚を切断しなければならない危険があります。しかし、下肢に痛みが起こっても年のせいなどと決めつけて、治療してない人が多いのが現状です。

下肢がしびれたり冷たく感じる、痛くて長時間歩けないという人は、早めに動脈瘤と動脈硬化を専門にしている血管外科を受診することをおすすめします。

閉塞性動脈硬化症の症状は段階的に進行する

閉塞性動脈硬化症になっても、初期の段階では、特別な自覚症状のない人が多いものです。病気が進行すると、血行の悪さから下肢が冷たくなったり、しびれを感じるようになります。

また個人差もありますが、300m前後の距離を歩くと、下肢の筋肉(主にふくらはぎ)が締めつけられるように痛みだします。ところが、しばらくじっとして、数分程度休むと痛みが治まるのがこの病気の特徴といえるでしょう。

このように、ときどき休みながらでないと歩き続けられない状態を間欠性跛行(かんけつせいはこう)といいます。

間欠性跛行は、脊柱管(背骨)の一部が狭くなる「腰部脊柱管狭窄症」の主な症状でもあるため識別に注意しましょう。

さて、下肢の動脈硬化がさらに進行すると、今度は歩行中でなくても下肢が痛くなります。放置すると動脈がさらに閉塞し、血流不足の結果、下肢に潰瘍ができたり、かかとや足の指などが壊死を起こすことがあります。

潰瘍や壊死を起こすと細菌感染を併発しやすくなる上に痛みが強いため、下肢の切断を余儀なくされることがあります。細菌感染は足にとどまらず、全身に悪影響を及ぼします。そうならないためにも、遅くとも間欠性跛行の段階で、早めに適切な治療を行うことが大切です。

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