Ⅰ型糖尿病の膵島移植は身体的負担が小さい

術後の回復も1週間程度

膵島移植と関連する臨床試験に触れる前に、膵臓の役割と構造について説明しましょう。

膵臓は外分泌組織と内分泌組織から構成されています。膵臓の99%は外分泌組織で、その中に点々と散らばっているのが内分泌組織の膵島です。直径0・5mm程度の球状の塊で、膵臓の中に成人一人当たり100万個ほどあります。

膵臓はα細胞、β細胞などで構成され、α細胞からは血糖値を上昇させるグルカゴンが、β細胞からは血糖値を低下させるインスリンが分泌されます。1型糖尿病ではこのβ細胞が何らかの原因で欠損しているため、インスリンが分泌されません。膵島移植ではインスリンを作り出すβ細胞の移植が目的となります。

インスリンを再び体内で産生させるための方法としては、膵臓そのものを移植する膵臓移植もあります。

膵臓移植は臓器そのものを移植するもので、細胞の移植である膵臓移植とは手技が全く異なります。膵臓移植は全身麻酔下の開腹手術で行われ、膵臓を十二指腸の一部とともに移植します。7、8時間は要する大がかりな手術です。

一方、膵島移植は局所麻酔をした上で肝臓の血管である門脈に針を刺し、輸液バックに入れた膵臓を約15~20分かけて注入します。点滴の要領ですので日常的に膵臓の検査や治療に行っている方法と変わらず、患者さんの身体的負担が少なく、安全性が高いという利点があります。

術後の回復も膵臓移植の場合は1、2カ月の入院が必要となりますが、膵島移植なら1週間程度ですみます。欧米では日帰りのケースもあるそうです。

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