膵島移植は長期にわたる膵臓の生着に課題

1回の移植でインスリンから離脱した症例はない

膵臓移植と膵島移植の有効性を比較すると、現時点では膵臓移植に軍配が上がります。

移植された臓器や細胞が、移植先で体の一部として生きて磯能し続けることを生着と言いますが、膵臓移植は生着が良好で、長期にわたりインスリン注射が不要になる割合(インスリン離脱率)も高くなっています。

日本の成績をみると、移植5年後のインスリン離脱率が膵臓移植の場合、約7割ありました。一方、膵島移植では1割程度しかなく、長期にわたる膵臓の生着が課題となっています。

膵臓移植のほうが成績の良い理由としては、腎不全を併発しでいる1型糖尿病では8割近くが膵臓と腎臓の両方を同時に移植しており、そのほうが膵島単独の移植より生着率が高いことが挙げられます。

また、膵臓移植では脳死下の膵臓が移植されますが、膵島移植では主に心停止下の膵臓から膵臓を取り出すため、脳死下の膵臓に比べで膵臓の数が少なく、機能が低下していることもあります。

国内ではこれまで18名の患者に計35回の膵島移植が実施されていますが、1回の移植でインスリンから離脱した症例はありません。離脱したと思っても1~2週間で元に戻ってしまい、インスリン離脱に至るまで2回以上移植を行う必要があるのが現状です。

ただし、膵臓が少しでも生着すれば、インスリン注射の必要性は変わらなくてもその量が減ったり、血糖のコントロールが以前より容易になったりすることが明らかになっています。

「当院ではこれまで4名を対象に、6回の膵島移植を行っています。インスリンの離脱には至りませんでしたが、血清Cペプチド濃度が上昇し、低血糖発作の消失あるいは減少がみられるなど、QOL(生活の質)の改善に寄与していることがわかっています」と国立病院機構千葉東病院の剣持敬医師は話します。

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