日々の生活が医療の対象になる

ある日突然「病気」というレッテルが張られる

メディアが健康情報をどんどん取り上げることは、果たして良いことでしょうか?

マスメディアの持つ力が大きいことは、議題設定効果として知られています。人々は、記事の回数が多く、見出しが目立つものほど重要な事柄だと思いやすいというものです。

このことは、健康意識が高まるという点では良いのかもしれません。しかし、一方では、ある日突然、「健康リスクあり」、「病気」というレッテルが張られる可能性が増大していることにもなります。

肥満も今やほとんど病気のような扱いで、偏見や差別の対象にもなりかねない状況です。しかも、肥満を助長する生活を送って健康を害した時、「自業自得」、「個人の責任」とされたらどうでしょうか。

このような現象を、日常生活の「医療化」と呼ぶ人がいます。日々の生活が、医療の対象になったという意味です。ただ、医療の対象といっても、専門家が毎日ついていてくれるわけではありません。毎日の生活に直面しているのはあくまでも本人です。

医療化でますます情報に目がいき、さらに不安を感じるかもしれません。かといって、生活を変えるのは大変です。良いアイデアは浮かばず、ストレス解消が大事だなと思うかもしれません。そして、健康情報のかたわらには、ダイエット食品やサプリメント、睡眠グッズ、ヨガ教室、資格、海外旅行などの情報もあるでしょう。

情報は使う人次第です。リスク情報にうまく対処できる人もいれば、怖くて逃げてしまう人もいます。医療者は、「医療化された生活」とのつき合い方をもっと研究し、それに寄り添い、支援する方法を考えていく必要があります。

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