豆は、脳の働きを活性化し動脈硬化や糖尿病などのリスクを減らす

豆には必要な栄養成分がぎっしり詰まっている

豆は古来、世界中で食べられ、その地域の人たちの命の維持に役立ってきました。あの小さな豆から、植物が大きく育っていくことからわかるように、豆にはたんばく質、ビタミン、ミネラル、脂肪など、植物の生育に必要な栄養成分がぎっしり詰まっているのです。

世界中には、いろいろな豆があります。日本では大豆、黒豆(黒大豆)、小豆、インゲン豆、ピーナッツなどがおなじみですが、その中でもとりわけ栄養価が高く、日常の食卓に上る頻度が高いのは大豆でしょう。

大豆には、レシチンという脂肪が含まれています。これは脂肪酸にコリンという物質が結合したもので、脂肪の代謝をよくして脂肪肝を防いだり、コレステロールが血管に沈着するのを防いだりする働きがあります。

また、脳神経系の伝達物質の材料となり、脳の働きを活性化する作用があります。

人体には60兆個の細胞があるといわれていますが、それらの最も外側にある細胞膜の構成成分の一つがレシチンです。細胞が細胞膜を作るさいには、必ずレシチンが必要になります。

こうした脂肪類は、ほとんどの豆類に含まれていますが、熱や紫外線で酸化されやすい性質があります。その酸化を防ぐために豆は、抗酸化物質を持っています。

抗酸化物質とは活性酸素(体内で増え過ぎると細胞を傷つけ老化の一因となる物質)を消去する物質のことです。多くの豆には、ポリフェノールという抗酸化物質が含まれています。

酸素の下で生きている生物は、あまねく活性酸素の害を受けます。したがって、どんな生物でも、活性酸素を抑えるシステムを備えています。

ヒトの場合、体の中でエネルギーが作られるたびに活性酸素が発生し、細胞を傷つけてガン化したり、炎症を起こしたり、動脈硬化を促進させたりします。ほかにも、アルツハイマー痛、糖尿病、アレルギーなど、多くの疾患に活性酸素がかかわっています。

それらに対抗するため、人間の体内でも抗酸化物質は作られます。しかし、活性酸素が増え過ぎると、それだけでは間に合わなくなってしまいます。そこで、食品からの十分な供給が必要になってくるのです。

炎症を抑えて血糖値の上昇を予防

ポリフェノールといっても、その中にはいろいろな物質があり、共通の抗酸化作用のほかに、そのポリフェノール独自の作用もあります。

例えば、大豆にはイソフラボンというポリフェノールが含まれています。これは女性ホルモン(エストロゲン)と構造が似ており、同じような作用を持ちます。そのため、女性ホルモンの減少が原因で起こる、更年期障害や骨租しょう症の予防などに有効とされています。

また、黒豆や小豆には、アントシアニンというポリフェノールが豊富です。このアントシアニンの抗炎症作用が、メタポリック症候群の改善に役立つ可能性があることが、大学や企業の研究でわかりつつあります。

肥満になって内臓脂肪が大きくなると、脂肪組織の中に白血球の一種であるマクロファージが集まり、炎症が起こります。すると、炎症性の物質が出て、血糖値や中性脂肪値を上げたり、血圧を高くして、生活習慣病を発症しやすくなったりします。

しかし、アントシアニンによって炎症が抑えられれば、炎症性の物質も出ないので、動脈硬化や糖尿病などのリスクが減ります。それによって、メタボリック症候群から、生活習慣痛が発症するのを抑えることができるのです。

また、アントシアニンには肝臓を守る働きもあります。飲酒によって体内に活性酸素が増えると、アルコールの代謝物質のアセトアルデヒドが炎症を起こします。アントシアニンはこの炎症を抑え、肝臓の酵素を活性化して、肝機能を正常化してくれるのです。

ところで最近、「夢の物質」と注目されているポリフェノールがあります。それは、ピーナッツの薄皮に含まれるレスベラトロールという物質。

ある実験で、マウスを低カロリー食で飼育したところ、サーチュインという遺伝子が働き、通常より長生きすることがわかりました。

サーチュインは、長寿(不老化)遺伝子と呼ばれており、老化を防いで寿命を延ばす働きがあります。実は、この遺伝子をレスベラトロールが活性化するのです。また、サーチュインには糖尿病を予防したり、熱産生をよくして肥満を防止したりする効果も報告されています。

このように、豆には素晴らしい作用を持つ抗酸化物質=ポリフェノールが含まれるのです。

ポリフェノールは熱に強いので、どんな食べ方をしてもそれほど機能が損なわれることはありません。

軟らかく煮たり、ごはんに混ぜて炊いたりするのも、いいでしょう。ただし、煮豆は、糖分に気を付け′てください。また、ピーナッツはゆでて皮ごと食べるのがお勧めです。

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