重症度に合わせた治療を行う「睡眠時無呼吸症候群外来」

睡眠中に呼吸が何度も止まる睡眠時無呼吸症候群の診断には、専門医による特殊な検査が必要です。睡眠時無呼吸症候群外来では、専門的な検査で症状の原因をつきとめ、重症度に合わせた治療を行います。

無呼吸といびきの原因を探る

睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、睡眠中に無呼吸(10秒以上、呼吸が止まること)と激しいいびきをくり返す病気です。

激しいいびきがおこる主な理由は、舌の根元がのどの奥に落ち込み、上気道が狭くなるため、そこを空気が通るたびにのどの周辺が振動するからです。この状態が進行すると上気道が完全にふさがり、睡眠中に呼吸が止まってしまいます。

北里大学北里研究所病院耳鼻咽喉科の睡眠時無呼吸症候群外来を担当している若林健一郎先生は、

「まず最初の問診で、睡眠時間や日中の眠け・頭痛・就寝中の頻尿・飲酒の習慣の有無、既往歴、服用中の薬、身長・体重などを確認します。当院では耳鼻咽喉科が睡眠時無呼吸症候群を扱っているため、鼻呼吸ができているか、のどの奥が狭くなっていないかなど、鼻とのどの診察も行います」といいます。

SASの簡易検査には、酸素濃度や脈拍を調べる「パルスオキシメトリー検査」と、酸素濃度、脈拍に加えて呼吸状態やいびきの回数などが調べられるより詳しい簡易検査の2種類があり、診察の結果に応じて検査法を選ぶと若林先生はいいます。

簡易検査の結果、無呼吸が疑われた場合には、医療機関に1泊入院して「終夜睡眠ポリグラフ検査」でさらに詳しく調べます。これは、専用の測定センサーをからだに取り付けて、脳波や眼球運動、心電図、筋電図などを測定し、睡眠の探さや呼吸の状態などを調べるものです。

無呼吸を指摘されたら早めに専門医の診察を

SASと診断された場合は、その重症度に応じて治療が行われます。

肥満の人は、あごやのどに脂肪がたまり、上気道が狭くなるため減量が重要な治療になります。あお向けの姿勢で寝ることも、舌の根元がのどに落ち込み、SASの原因になります。SASが軽症の場合には、マウスピースや横向きで寝ることなどの生活指導を行います。

そして、中等症の場合にはマウスピースまたはシーパップ(CPAP)、重症の場合にはCPAPを選択します。大きくは以上のようになりますが、患者さんに合わせて治療を検討していきます。さらに北里大学病院では、のどや鼻の病気のためにSASをおこしている場合、手術を検討することもあります。

SASを放置していると睡眠の質が低下し、血管や心臓に負担がかかって高血圧や心臓病、脳卒中などの発症リスクが高まるといわれています。

SASの治療は、心臓や脳の病気の予防にもつながります。周囲の人から睡眠中の無呼吸や激しいいびきを指摘されたら、早めに専門医の診察を受けることをおすすめします。

スポンサーリンク


  • このエントリーをはてなブックマークに追加