夏に膀胱炎を繰り返します。予防法を教えてください

汗をかきやすい夏は膀胱炎になりやすい

Q.55歳、女性。ここ数年、夏になると膀胱炎にかかります。トイレに何度も行きたくなり、排尿時に痛みがある…これが夏の間つづき、とても不快です。以前は一度もかかったことがなかったのに、不思議です。ひょっとして別の病気も考えられますか?予防法などがあれば敢えてください。(京都府 K)

A.女性の場合、急性(細菌性)膀胱炎は一生のうちに一度は羅患するといわれている、ポピュラーな疾患です。症状は、頻尿、終末時の排尿痛(排尿の終わりごろの膀胱痛)、尿混濁(こんだく)、残尿感、膀胱部不快感などで、通常発熱は伴いません。

女性は男性と比べると尿道が短いため、細菌が膀胱へ侵入しやすいのが原因の一つと考えられています。腸内細菌が肛門から膣へ侵入し、膣内で病原性細菌(大腸菌など)が繁殖し、この細菌がさらに膣から尿道、膀胱へ侵入して膀胱内で繁殖し、炎症をおこすのです。

性的活動期の20代、閉経前後の40~50代、高齢の65歳以降に羅患率のピークがあります。とくに閉経以降の女性はホルモンバランスがくずれるほかに、膣の常在菌(デーデルライン桿菌)が消失するため、膣内に膀胱炎の原因となる病原性細菌が繁殖し、羅患しやすくなってきます。

急性膀胱炎は、気温と発症率に相関性があり、気温の上昇とともに発症頻度が高くなります。ご相談者も夏にくり返すとのことですが、暑い時期は汗をかくことで尿量が低下し、膀胱内に入った細菌を尿によって体外へ流し出す頻度が減ります。そのため、細菌が膀胱内にとどまる時間が長くなり、膀胱炎を発症しやすくなるのです。

また、冷えで膀胱炎を来すこともあるので、夏場の冷房などにも注意が必要です。

尿を長時間我慢しすぎない

膀胱炎にならないように、普段から心がけたい予防法をいくつか紹介しましょう。

①1日の尿量を1~1・5リットルに保つように水分を多めにとる→飲水量の増加は尿量を増加させ、尿と一緒に細菌を体外へ排出させる。②尿を長時間我慢しすぎない→膀胱内に尿が長時間たまると、細菌が増殖しやすい。③便通に気をつける→便秘・下痢によって病原性の大腸菌が増殖し、感染を引きおこすことがある。④性交渉後は排尿する→性行為によって細菌が尿道から膀胱へ侵入する可能性がある。

⑤下半身(腰周り)を冷やさない ⑥排尿後、排便後の拭き方に注意する→細菌が尿道口や膣に入り込まないように「前から後ろ」に拭く。⑦温水洗浄(便座)の使用を控えるやじ洗浄水が膣内の細菌を尿道に押し込むケースがある。⑧疲労やストレスをためない→疲労やストレスで免疫力が低下し細菌に感染しやすくなる。

ただし、あまりにも膀胱炎症状をくり返す場合は、ほかの疾患(膀胱がんなど)が隠れていることもありますから、泌尿器科専門医を受診することをおすすめします。

回答:東邦大学泌尿器科学講座 講師 青木九里先生

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