超音波検査で2年連続「腎血管筋脂肪腫あり」の結果になったのですが

腎細胞がんとの鑑別も、超音波検査で比較的簡単にできる

Q.52歳、男性。健康診断の腹部超音波検査で左腎血管筋脂肪腫が見つかり、要経過観察と判定されました。実は昨年も同様の結果でした。今後、大きくなるのか、がん化することもあるのかなど、どのような経過をたどるのか心配です。小さいうちに治療しなくてもよいのでしょうか? (千葉県 T)

A.腎血管筋脂肪腫は、腎臓に発生した腫瘍で、名前が示すように「血管壁を有する血管、平滑筋(筋肉)、脂肪成分」から構成されています。多くは良性の腫瘍で自覚症状がなく、ご相談者のように健康診断時の超音波検査によって見つかることがほとんどです。一般的には、単発、片側性で右側に多くみられ、40~50代で、とくに女性によく発見されています。

超音波では高エコー(異物などで白っぽく写る状態)を示し、被膜は見られないのが特徴です。脂肪成分が多いので、腎細胞がんとの鑑別は容易にできます。しかし、超音波では診断がつきにくい脂肪成分の少ない腎血管筋脂肪腫もあり、その際はCT検査やMRIが行われます。時に診断を兼ね、腎部分切除や摘出を行い、腫瘍の組織診断をする場合もありますが、頻度としては非常にまれです。

大きさが1cm未満なら年1回の経過観察

ご相談にあります腫瘍の変化についてですが、「変化なしがほぼ半数、増大するが40%近くあり」との報告があります。また、増大する速度は比山戟的緩やかで、4、5年で数mm程度とされています。しかし、腫瘍の大きさが4mmを超えるような症例では、腫瘍の血管が破裂して出血を来す可能性が認められています。そのような場合は腫瘍摘出、あるいは腎臓に経動脈的にカテーテルを挿入して腫瘍の塞栓術を行うことが適切であるとされています。

一般的には大きさが1cm未満なら年1回の超音波検査で経過観察を行えばよいと思います。もし必要であればCT検査で脂肪成分を確認することで十分です。

1つだけ腎血管筋脂肪腫で留意しておきたいのが、結節性硬化症(脳、腎臓、肺、皮膚、心臓など全身のさまざまな場所に腫瘍ができる。小児期に発症する場合が多い)という難病の一症状に、この腎血管筋脂肪腫が80%近くみられるという点です。このケースでは、両側にみられることが多く、腫瘍も大きいとされていますので、ご相談者にはその心配はないと思います。

回答:武蔵野徳洲会病院(東京都)院長 鈴木洋通先生

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