おなかに圧がかかると尿がもれてしまう「腹圧性尿失禁」

骨盤底筋という筋肉がゆるみ尿道が開きやすくなる

せきやくしゃみをしたとき、笑ったり走ったりしたときなど、おなかに力が加わったときに尿もれがおこるのが「腹圧性尿失禁」です。

骨盤の中には骨盤底筋という筋肉があり、膀胱や尿道、直腸、女性の子宮などをハンモックのようにしっかりと支えています。骨盤底筋がゆるむと、膀胱や尿道などの位置がずれて不安定になります。その状態で腹圧がかかったときに尿道が開きやすくなり、尿がもれてしまいます。

腹圧性尿失禁は女性に多くみられます。発症の大きな原因となるのが出産です。出産で胎児が産道を通過するとき、骨盤底筋が傷つき、ゆるみが生じるからです。

また、更年期以降に女性ホルモンが減少するのも一因となります。女性ホルモンのエストロゲンには、尿道の周りの筋肉や骨盤底筋にハリをもたせる働きがあります。女性は更年期を迎えて、女性ホルモンの分泌が低下すると、尿道の筋肉の弾力が失われ、骨盤底筋もゆるんでしまうのです。

まずは骨盤底筋体操を3カ月間つづけてみる

腹圧性尿失禁を予防・改善するためには、ゆるんだ骨盤底筋を鍛える骨盤底筋体操が有効です。この体操は、膣や肛門を締めたりゆるめたりして骨盤底筋を鍛え、尿もれを改善するもので、女性の過活動膀胱にも効果があります。

肥満も腹圧性尿失禁や過活動膀胱の一因になります。とくにおなかに脂肪がつくと、骨盤底筋や膀胱に大きな力がかかりつづけます。

また、便秘も一因です。大腸に便がたまっていると膀胱が圧迫されるだけでなく、排便時のいきみで過度に腹圧がかかり、骨盤底筋への負担が増します。腹圧性尿失禁や過活動膀胱を改善するには、減量と便秘の解消も大切です。

骨盤底筋体操を3カ月間ほどつづけて、肥満や便秘の解消に努めても効果がない場合は、泌尿器科での治療を並行して行います。医療機関の薬物療法で用いられるβ2刺激薬は、膀胱の筋肉の緊張をゆるめ、尿道の筋肉を収縮させる働きがあります。服薬しても効果がなく、患者が希望する場合は、メッシュ状のテープで尿道を支える手術が検討されます。

日常生活に骨盤底筋体操を取り入れる

・四つん這いの姿勢で…床に膝をつき、肘を立てて手にあごをのせ、肛門や膣を引き締める。

・椅子に座って…両足を肩幅くらいに開いて床につく。顔は前に向け、背すじを伸ばし、おなかに力が入らないように気をつけながら肛門や腹を引き締める。

・机にもたれながら…机の前に立ち、足を肩幅くらいに開く。手も肩幅くらいに開いて机につき、体重を腕にかけるようにする。背すじを伸ばし、顔は前に向け、肩とおなかの力を抜いて肛門や膣を引き締める。

スポンサーリンク


  • このエントリーをはてなブックマークに追加