胃がんのリスクを調べるABC検診

採血してピロリ菌の感染とペプシノゲン濃度を調べる

最近、胃がんの発症リスクを調べる手段として、ピロリ菌の抗体と、胃の粘膜の状態を調べる「ABC検診(胃がんリスクのスクリーニング検査)」に取り組む健保組合や自治体がふえてきました。

ピロリ菌に感染していると、血液中にピロリ菌の抗体ができます。ABC検診では、まずピロリ菌の抗体の有無を調べ、ピロリ菌に感染しているかどうかを確認します(血清ピロリ抗体検査)。

さらに、血液中のペプシノゲンという消化酵素の濃度も調べます(血清ペプシノゲン法)。萎縮性胃炎が進むとペプシノゲンの分泌量が減る傾向があります。この検査を行うことで、胃の粘膜の萎縮の程度がわかり、胃がんに進みやすいかどうかがおおまかに予測できます。

A群の人も精密検査を受けることがすすめられる

ABC検診では、検査結果をABCDの4段階で判定します。A群はもっとも胃がんの発症リスクが低く、B~C~D群に進むにつれて胃がんの発症リスクが高くなります。

ABC検診を受けた結果、A群に分類されたとしても、胃がんになるリスクがゼロというわけではありません。

現在、血清ピロリ抗体検査の結果が10U/mL未満であれば陰性とされていますが、日本ヘリコバクター学会などの研究機関では、3U/mL以上~10U/mL未満の人の約20%は、ピロリ菌に感染していたことがあると報告しています。

学会では、A群と分類された人も、一度はピロリ菌の検査や胃の内視鏡検査を受けることを推奨しています。

早期の胃がんなら内視鏡治療も

胃がんが、胃の粘膜や粘膜下層でとどまっているものを「早期がん」、それより深いところまで浸潤しているものを「進行がん」といいます。

胃がんの場合、一般に、早期がんで、ほかの部位に転移していない段階なら、内視鏡治療を選択することができ、その治療で治癒するケースが多いといわれています。

内視鏡治療の方法は、高周波電流を発生きせる機能を備えた内視鏡を口から胃に挿入し、がんとその周囲の組織を切除します。内視鏡治療の長所として、開腹しないため、からだへの負担が少なく、胃の働きが保たれることがあげられます。

内視鏡治療にはいくつかの方法がありますが、最近では、ESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)という方法が主流で、がんの状態によっては10cm程度のがんでも切除できるケースがあります。ただし、治療中に出血したり、胃壁に孔があいたりする危険性もあるため、治療を受ける前に担当医から詳しい説明を受けることが大切です。

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