ストレスが肥満につながってしまう

食べることによって快感を得られる

肥満に関連する脳内物質や体内物質を勉強しましょう。

まずはそのひとつ、セロトニンです。セロトニンは必須アミノ酸のひとつであるトリプトファンから合成される神経伝達物質です。感情ホルモンの情報をコントロールして主に精神を安定させる働きをしています。

体内のセロトニンの90%は消化管、8%は血小板に存在します。残りの2%が脳内にあるのです。セロトニンは幸せホルモンと呼ばれ、活性化していると頭がすっきりして、やる気が出ます。逆にセロトニンが減るとイライラして満腹感が得られなくなり、食べ過ぎてしまう。精神不安定になり、うつ病になることもあります。

セロトニンを増やすには、トリプトファンが豊富な大豆やナッツ、乳製品を食べるといいといわれます。また、朝日を浴びることもセロトニンを増やすのに効果的です。

ドーパミンは、報酬系の解説で登場した脳内物質です。ドーパミンが分泌されると人間はテンションが上がり、昂揚した気分になります。

肥満との関連でいえば、アメリカの大学で注目すべき研究結果が出ました。それによると、肥満者はドーパミン受容体が肥満でない人たちより少ないのです。

つまり、快感を得られるドーパミンをキャッチする受容体が少ないため、通常の人と同じだけの快感を得るためには、より多く食べないといけないということです。彼らは「食べて食べて、また食べて」ようやく快感を得ることができるのです。そして過食により、太ってしまう。

悪循環する肥満メカニズムを引き起こしている元凶は、ドーパミン受容体の不足かもしれないのです。

ストレスに対処しようとして肥満になる

ストレスが肥満につながってしまうふたつ目のメカニズムは、脳を介したホルモンなど体内物質の働きです。

ストレスにさらされているとき、人間の脳は危機感を覚えて、この危機に対処しょうとします。第1の方法はここから「食べる」という快感に向かいましたが、第2の方法で脳は、危機に対処するために体内にエネルギーを蓄積する必要があると判断します。そして脳が司令塔になり、体内にさまざまな物質を分泌させるのです。

これは、人間に遺伝子レベルで組み込まれたリスク回避のしくみといえます。つまり、生体が危機に直面した場合、それをどうにか回避して生き残れるように組み込まれた、遠い昔のメカニズムがいまだに残っているのです。このとき、実際に脳はどんな働きをするでしょうか。

生体がストレスを受けているとき、それを感知した脳は、緊急事態として「ストレスから身を守る必要がある」という指令を視床下部に送ります。これを受けた視床下部はストレスという危機にさらされた」生体を守るため、さまざまな物質を分泌します。

分泌されたホルモンは危機回避のために頑張って働きます。しかし、頑張りすぎることで思わぬ副作用を招いてしまいます。それが肥満につながるのです。

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