意識して呼吸するだけで全身が若返る

息を吐くことが主で息を吸うのは従

皆さんは、1日のうちに何回呼吸しているかご存じでしょうか。

呼吸回数は、平均すると1分間に約15回、1時間に約900回。1日にすると、およそ2万回になります。ふだんは無意識に行っているこの2万回の呼吸のうち、例えば、100回をちょっと意識して行うだけで、体が変わってきます。呼吸法しだいで、健康な病気知らずの体に作り変えることも可能なのです。

お勧めしたい正しい呼吸の基本は、「呼主吸従」です。

つまり、息を吐くことが主で、息を吸うのを従とした呼吸になります。息を鼻からゆっくりと吐き出しましょう。すべてを吐き切るまで吐いたら、その反動で息を吸います。これをくり返せばいいのです。

呼吸には、呼吸時に胸がふくらむ胸式呼吸と、おなかがふくらむ腹式呼吸があります。呼吸法としては、腹式呼吸をお勧めします。さらに腹式呼吸には、息を吸ったときにおなかをふくらませる「順式」と、息を吐いたときにおなかをふくらませる「逆式」があります。どちらでもよいので、お好きな方法で試してください。

一つ、基本的な呼吸法を紹介しましょう。

まず、両足を肩幅に開いてゆったり立ちます。背すじを伸ばし、ゆっくりと息を吐いてください。じゅうぶんに息を吐いたら、その反動で自然に息が胸に入るに任せます。もう1回、ゆっくり吐いてゆっくり息を吸います。そして、3回めにゆっくりと思い切り息を吐いて、若干、上体を前に倒します。そして、上体を戻しながら息を吸います。これが1セットです。1回3セット行いましょう。

この呼吸法は、いすに座って行ってもいいでしょう。

内臓を効率よくマッサージできる

ところで、呼吸を変えることで、私たちの体に、どんな変化が生まれるのでしょうか。

一つは、自律神経の変化です。自律神経というのは、私たちの意志とは無関係に働き、内臓や血管などを調整している神経です。交感神経と副交感神経の二つがあり、両者が括抗して働きます。

昼のアクティブな活動を支えるのが交感神経、夜の休息の神経が副交感神経で、現代人の場合、過労やストレスなどの要因により、このバランスがくずれ、交感神経が優位の状態が続いています。交感神経が過剰に働くことで、さまざまな不定愁訴が生じているのです。

呼吸では、息を吸うときに交感神経が働き、息を吐くときに副交感神経が働きます。そこで、深く長く息を吐くようにすると、副交感神経を刺激できるのです。これをくり返すことで、交感神経と副交感神経のバランスを回復させることができます。そうすれば、体調が改善し、数々の不定愁訴が軽減できるでしょう。

第2に、深い呼吸をくり返すと、胸部と腹部の境目にある筋肉の横隔膜が大きく上下し、腹筋群がじゅうぶんに動きます。すると、腹腔の内圧がリズミカルに変動し、内臓をマッサージする効果が得られるのです。

さらに、深い呼吸により胸腔の内圧、背骨の中を通る脊髄の内圧も変化し、頭蓋内の内圧も変動します。つまり、呼吸によって、全身の血行が改善するというわけです。

第3に、私たちが生命活動を行った結果、体内にエントロピーと呼ばれるゴミのようなものが蓄積します。エントロピーの放出手段は、汗、尿、大便、呼吸ですが、呼吸以外は私たちの意志で自由にコントロールできません。呼吸だけが、意志でコントロールできるのです。

深い呼吸によって自律神経のバランスが整い、エントロピーが排出されると、体の機能がよく働くようになります。

1日5分でも、10分でもかまいません。ぜひ、長く息を吐き切ることを意識して、呼吸を行いましょう。呼吸法は、お金も時間もかけずに、全身が若返る最高の養生法です。

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