健康保険が現行制度のままでは、現役世代が高齢者医療費を支えられない

先ごろ健康保険組合連合会(健保連)より、全国1,399組合の平成30年度決算見込の概要が発表きれ、多くの健保組合が赤字となっている実情が明らかになりました。

全組合の約4割となる543組合が赤字に

発表によると、健保組合全体の経常収支は、短時間労働者の健康保険加入が義務付けられたため被保険者数が大幅にふえたことなどが影響して、2373億円の黒字となりました。しかし、赤字組合数は543で全組合の約4割を占めており、けっして健保組合を取り巻く状況が好転しているわけではありません。

現在の高齢者医療制度がスタートする前の平成19年度と30年度を、保険給付費、拠出金について比べてみました。

みなさんの医療費や各種の給付に使われる保険給付費は6409億円の増加なのに対し、後期高齢者支援金や前期高齢者納付金などの高齢者医療にあてられる拠出金は9598億円増加しており、支出全体に占める割合も大きくなっているのがわかります。

ふえつづける拠出金の費用を捻出するため、健保組合は保険料率を引き上げるなどして収入を確保しています。保険料収入は、平成19年度より1兆7973億円の増加となっています。

現行制度のままで、現役世代が高齢者医療費を支えるのは困難

平成30年度の健保組合全体の経常収支は黒字となりましたが、これは制度の改正による被保険者数の増加や、保険料率の引き上げなど一時的な要因によるものです。

今後を見通すと、収入面ではこれ以上の保険料率引き上げは難しい健保組合がふえています。一方の支出面をみると、平成29年度からは後期高齢者支援金の負担のしくみが総報酬制になって、拠出金は健保組合全体で約2400億円の負担増となることが見込まれています。

今後も団塊世代の高齢化に伴い、さらに拠出金がふえつづけることは確実です。現在の制度のままでは、現役世代が高齢者を支えていくことは困難になります。

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