飲酒で顔が赤くなる男性は飲みすぎると、膀胱がんのリスクが上がる場合も

岩手、秋田、長野、沖縄、茨城、新潟、高知、長崎、大阪に在住していた40~69歳の男女約9万5000人を対象に、飲酒と膀胱がんの関係について約20年追跡した研究結果が発表されました。

顔が赤くなるのはアルコールを分解する酵素の働きが弱いから

飲酒により体内に取り込まれたアルコールは、酵素の働きでアセトアルデヒドに分解されます。欧米人は、この酵素の働きが強いのですが、日本人の半数くらいは酵素の働きが弱いことがわかっています。

アルコールに弱い人が、飲酒により顔が赤くなったり脈拍がふえたりするのは、体内に蓄積したアセトアルデヒドの作用によるものです。

これまでの研究で、アセトアルデヒドには、発がん性があることが明らかになっていますが、主に欧米人を対象にした海外の研究では、飲酒と膀胱がんに関連はないと報告されています。

しかし、アルコールを分解する酵素の働きが日本人と欧米人では異なるため、国立がん研究センターなどの研究チームは、飲酒と膀胱がんの関連について、顔が赤くなる人とならない人に分けて調査しました。

顔が赤くなる人とならない人では膀胱がんのリスクが異なる

本調査では、お酒を飲む量によって5つのグループに分け、さらに「飲酒をするとすぐに赤
くなるか?」という質問も行いました。

顔が赤くなる人では、お酒をほとんど飲まないグループの膀胱がんの発症リスクを1とすると、過当たりの飲酒量(エタノールに換算)が151~300gのグループで膀胱がんの発症リスクが1・67倍に上昇していました。一方、顔が赤くならない人では、どのグループも膀胱がんのリスクは上昇しませんでした。

飲酒量が301g以上のグループでは、顔が赤くなる人もリスクは上がりませんでしたが、これについて研究チームでは、「飲酒で顔が赤くなるという自覚症状と、アセトアルデヒドを分解する能力は完全には一致していないため、顔が赤くなると答えた人のなかには、アセトアルデヒドの分解能力が高い人が多数含まれていたためではないか」と推察しています。

したがって、大量に飲酒をすることで膀胱がんへの影響がなくなるというわけではありません。また、多量の飲酒は循環器疾患のリスクを上げることもわかっています。お酒を飲む機会が多い時期です。適度な飲酒を心がけましょう。

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