毛髪疾患の専門的な治療を行う「毛髪外来」

脱毛症などの毛髪疾患は命にかかわることは少ないものの、本人にとって心理的な負担が大きい症状です。毛髪外来では、脱毛症などに悩む人を対象に、脱毛の原因を調べ、専門的な治療を行っています。

薬物療法で円形脱毛症や男性型脱毛症の治療を行う

人間の毛髪は、一定のヘアサイクル(毛周期)を保ちながら、抜け落ちてはまた生えてくるということをくり返しています。こうした毛髪のサイクルにおける再生能力は、加齢とともに衰えていきます。

「誰でも年を重ねると毛髪が細く、伸びる速度も遅くなり、全体のボリュームがなくなってきます。しかし、急速に進む場合、あるいは部分的に脱毛がおきた場合は、医学的な治療を受けたほうがよい脱毛症や、ほかの病気が隠れている可能性があります」と、慶應義塾大学病院皮膚科の「毛髪外来」を担当する梅垣知子先生は話します。

脱毛症の種類はさまざまありますが、梅垣先生によると、同外来を受診する患者の多くは円形脱毛症です。

「通常の毛根は整った形をしていますが、円形脱毛症の人の毛根は、炎症によって破壊されています」

同外来の初診では、頭皮や毛穴の状態を確認する視診・触診、毛髪の抜けやすさなどを調べる抜毛テスト、抜け毛を観察する毛根の確認、ほかの病気の有無を確認する血液検査が行われます。より詳細な治療方針を決定するために、頭部から皮膚組織を採取し、細胞レベルの変化を調べる組織検査を行うこともあります。

これらの検査で脱毛の原因や毛髪の状態の診断がついたら、同外来で治療が行われます。皮膚以外の病気が疑われる場合には、内科などほかの診療科が紹介されます。

円形脱毛症の治療は、毛根部の炎症を抑えるために、ステロイド薬などが用いられます。また、薬を塗って人工的に一種の”かぶれ”を頭皮におこすことによって脱毛を改善させる「局所免疫療法」が選択されることもあります。

男性型脱毛症の治療で中心になる薬は、男性ホルモンのテストステロンがジヒドロテストステロンに転換されるのを抑える働きのあるフィナステリドの内服薬と、毛の成長を促すミノキシジルの外用薬です。そのほか、自身の後頭部の毛髪を移植する自家植毛の手術の選択肢もあります。

「女性型脱毛症に関しては、効果が確認されている内服薬はなく、当外来の場合、患者に市販のミノキシジルの塗り薬の使用をすすめ、その後の経過を観察していきます」(梅垣先生)

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