発汗異常外来

気温に関係なく多量の汗をかく「多汗症」は、手のひらなどからしたたり落ちるほどの汗をかき、仕事に差し支えたり、人との接触に消極的になったりして生活に大きな支障をきたします。一方、ほとんど汗をかかない「無汗症」では、からだに熱がこもり、熱中症のような症状が現れます。発汗異常外来では多汗症や無汗症の人を対象に、専門的な検査や治療を行っています。

もっとも患者さんが多いのは、原因不明のもの

多汗症は”原発性(原因不明)”のものと、”続発性(肥満や高血圧、甲状腺の異常、更年期障害などによる二次的な発汗異常)”のものに大別されます。そのうち、もっとも患者さんが多いのは、原因不明で、手のひら、わき、顔、頭、足の裏などの局所に多量の汗をかくタイプです。厚生労働省研究班による全国疫学調査の結果、こうした原発性局所多汗症の患者さんは、国民の20人に1人いると推定されます。

東京医科歯科大学医学部附属病院の発汗異常外来では、発汗に関する詳しい問診や診察を受けたあと、発汗紙を用いて発汗量を測定する検査や、体温を測定するサーモグラフィなどの専門的な検査を受けます。

軽症~中等症の手足の多汗症の場合、「塩化アルミニウム液外用療法」か「イオントフォレーシス療法」を行えば、患者の大半は症状の改善がみられると担当の先生はいいます。

重症度に応じて塗り薬、内服薬、注射などの治療を選択

前者は、汗腺に作用して発汗を抑える塩化アルミニウムの外用薬を使う方法です。後者は、水道水を入れたトレイに手や足を浸して、通電することで水素イオンを発生させ、汗の出口をブロックする治療法です。

通院が難しい患者の場合は、家庭用の機器を海外から購入してもらい(手数料を含めて2~3万円)、担当医の指導のもと自宅で使用します。

手足やわきの多汗症で重症の場合には、ボツリヌス毒素を注射して発汗を抑える「ボトツクス局所注入療法」が検討されます。顔や頑の多汗症に対しては、抗コリン薬などの内服薬が処方されます。

無汗症には先天性のものと後天性のものがあり、汗腺や交感神経の異常、皮膚や代謝性の疾患などさまざまな病
因があります。とくに最近、注目を集めているのが、無汗の範囲が全身の25%以上に及ぶ”特発性後天性全身性無汗症”という疾患です。若い男性に多く、アトピー性皮膚炎やじんましん、痛みを伴うこともあります。

この病気は大量のステロイド薬を点滴することにより改善します。このように、発汗異常の治療法の選択肢は複数あるので、悩んでいる人は、まず最寄りの皮膚科の医師に相談してみてください。

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