かぜをひいてから鼻水がのどに流れるような不快感がつづいている

Q.50歳、男性。かぜ症状が治ったあと、鼻水がのどに流れ込んでくるような、張りついた違和感が1カ月ほどつづいています。何となくのどの奥が詰まった感じがあり、白くどろっとした痰も多くなってきました。鼻詰まりもつづいています。スッキリしたいのですが、よい治療法はありますか? (高知県 S)

●鼻水がのどの奥へ落ちる「後鼻漏(こうびろう)」と思われる。原因疾患を治療すると治まることがある

A.鼻漏とは、鼻水が何らかの原因で量がふえたり、鼻水の性質が粘稠(ねんちゅう:ネバネバ状態)、膿性、血性(血が混じる)などの病的な変化を来したときにおこる「症状」のことで、病気の名前ではありません。

鼻水が鼻の入り口に流れ出てくる症状を「前鼻漏」、鼻の奥から”のど”へまわっていく症状を「後鼻漏」といいます。前鼻漏は本人がはっきりそれを自覚していることが多いのですが、後鼻漏はのどに落ちてしまうため痰と混同されがちで、耳鼻咽喉科を受診して初めて後鼻漏と診断されることがよくあります。

後鼻漏は「のどの違和感」(咽喉頭異常感症)や慢性的なせきの原因となることが多いので、注意が必要です。症状が長引くと気管支ぜんそく、慢性喉頭炎、慢性気管支炎、胃食道逆流症、喉頭アレルギーなどが引きおこされることもあります。

ご相談者の不快症状も後鼻漏によるものと思われます。自覚症状が少ない軽度の後鼻漏は見過ごされやすいので、鼻咽腔の内視鏡検査やレントゲン検査などで確認し、正確な診断をつける必要があります。

鼻漏の治療は、原因となった疾患を治すことが第一となります。その原因となる代表的な疾患は、鼻炎、副鼻腔炎(蓄膿症)、アレルギー性鼻炎(花粉症など)、かぜ症候群、鼻咽腔炎(上咽頭炎)、鼻副鼻腔腫瘍などです。疾患に応じて消炎剤、粘液溶解剤、去疲剤、抗ヒスタミン薬、抗菌薬(抗生物質)などの薬物治療と、鼻副鼻腔や鼻咽腔の処置治療、手術などが行われます。

実際、鼻の治療をすることで、長くつづいていた後鼻漏によるのどの違和感やせきが治まることがあります。また、かぜなどによっておこる鼻咽腔炎には「Bスポット療法」という、上咽頭(のどの裏)に向けて綿棒で擦り、塩化亜鉛などの薬剤を塗布する治療が行われることもあります。

この上咽頭処置は最初は痛みが強いのですが、継続することで、長引く慢性炎症に効果が得られることがあり、試みてもよい治療法と考えられます。

まずは耳鼻咽喉科に受診し、後鼻漏の原因となった疾患の診断を受けてください。

回答:笠井耳鼻咽喉科クリニック自由が丘診療室(東京都)院長 笠井創先生

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