「脂質異常症」は自覚症状がなくても放置してはいけない

特定健康診査(メタボ健診)や人間ドックでは、血液中の脂質(あぶら)を調べる検査が行われます。メタボ健診の場合、LDLコレステロール、HDLコレステロール、中性脂肪の3項目が調べられ、これらが基準値を超えると「脂質異常症」と診断されます。

脂質異常症になっても目立った自覚症状はありませんが、動脈硬化を進める重要な要因であるだけに放置は禁物。すぐに対策を始め、血管を守りましょう。

悪玉・善玉コレステロールは同じ脂でも役割が異なる

健診結果で、血中のコレステロールや中性脂肪の値が気になっている人も多いでしょう。そもそもこれらはどのようなもので、なぜ注意が必要なのでしょうか?

コレステロールは、全身の細胞膜やホルモンなどの材料になる、からだにとって欠かせない脂質の一種です。体内のコレステロールは、食べ物として口から入るのが3割程度で、残りは肝臓でつくられ、血流に乗って全身の組織に運ばれます。脂は水や血液に溶けないので、LDLやHDLと呼ばれる水になじみやすい「リポたんばく」に含まれて、血液中を流れています。

LDLは肝臓でつくられたコレステロールを乗せて全身に供給する、いわば宅配トラックのような働きをしています。一方、HDLは体内の余分なコレステロールを肝臓に戻す、清掃トラックのような役目を果たしています。

LDLコレステロールは必要以上にふえすぎると血管壁に入り込んで動脈硬化の原因になるため悪玉コレステロールともいわれ、HDLコレステロールはふえると動脈硬化が進むのを抑えるため善玉コレステロールともいわれます。

コレステロールに影響を及ぼす中性脂肪

中性脂肪も、からだに必要な脂質の一種で、細胞が活動するための燃料になります。しかし、血液中の中性脂肪がふえすぎると、LDLコレステロールが小型化し、血管壁に入り込みやすくなり、動脈硬化がいっそう進みやすくなります。また、血液中の中性脂肪がふえれば、反比例してHDLコレステロールが減るという関係にあります。

脂質異常症を放置していると動脈硬化が進み、血管壁にコレステロールが入り込んでこぶ状にふくらんできます。そのこぶ(プラーク)が破れると血栓(血の塊)ができ、血流が悪化したり途絶えたりして心筋梗塞や脳梗塞などを招く原因になります。

実際に、LDLコレステロール値が高いほど心筋梗塞による死亡率が高くなることがわかっています。脂質異常症は目立った症状がないだけに、メタボ健診などで異常を指摘された人は、早めに対策をとることが重要です。

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