「脂質異常症」の改善の第一歩は食事と運動

共通して注意すべき点は内臓脂肪型肥満

今から40年ほど前までは、大半の日本人が食事でとる脂質の量はそれほど多くありませんでした。ところが、その後、食生活が欧米化し、歩かなくてもすむ生活が広がるにつれて、多くの日本人が必要量を上回る脂質を摂取しています。

脂質異常を招く食生活を見直し、運動不足を解消すれば、脂質異常症の薬を服用している人でもやめることができるケースもよくあります。

LDL値が高い人、HDL値が低い人、中性脂肪値が高い人では、食事で見直したいポイントは違いますが、共通して注意すべき点は、食べすぎと内臓脂肪型肥満です。内臓脂肪型肥満になると、肥大化した脂肪細胞から、動脈硬化や脂質異常、高血糖、高血圧などを誘発する物質が分泌されます。

メタボ健診の「腹囲」が基準を超えた人(男性85cm以上、女性90cm以上)は要注意です。

脂質異常を改善するために積極的にとりたい食品と控えるべき食品

脂質異常を改善するには、なんといっても食事の見直しが大事。以下に、積極的にとりたい食品や控えめにしたい食品などをあげました。食事では、脂質が少ない伝統的な日本食パターンの献立がおすすめですが、塩分のとりすぎには注意しましょう。

・肉より魚を食べる

さば、まぐろ、いわし、あじなどの青背の魚に多く含まれるEPAやDHAという脂質には、LDLコレステロールや中性脂肪を減らす働きがあります。

・食物繊維の多い食品を食べる

野菜や大豆・大豆製品、海藻、きのこなどに多く含まれる食物繊維は、小腸でのコレステロールの吸収を抑え、LDLコレステロールを減らす働きがあります。

・飽和脂肪酸を多く含む食品をとりすぎない

肉の脂身やベーコンなどの加工肉、バター、生クリームなどに多く含まれる飽和脂肪酸は、とりすぎるとLDLコレステロールや中性脂肪を増加させます。

・トランス脂肪酸をとりすぎない

マーガリンやショートニングなどに多く含まれるトランス脂肪酸は、体内のLDLコレステロールをふやし、HDLコレステロールを減らす働きがあるため、とりすぎに注意しましょう。

・動脈硬化が進みやすい状態の人は卵のとりすぎに注意

コレステロールを多く含む食品の代表は鶏卵ですが、動脈硬化の危険性が少なく、LDLコレステロールも高くない人は、卵の摂取を制限する必要はありません。ただし、高リスクの人や、糖尿病、慢性腎臓病(CKD)などで動脈硬化が進みやすい状態にある人は、卵を含めコレステロールの多い食品のとりすぎに注意しましょう。

座りっばなしの生活をやめて適度な運動をつづけよう

最近、「座る時間が長いほど筋肉が衰えて、血流が悪化して血圧が上昇し、その結果、心臓や脳の病気を招きやすい」という研究結果が報告され、注目されています。

一方で、習慣的に運動をすると、肥満の改善、HDLコレステロールの増加、中性脂肪の減少、血圧・血糖値の低下、動脈硬化による心筋梗塞などの発症や死亡リスクの低下といったさまざまな効果が得られることがわかっています。

その効果を生かすためには、ウオーキングやジョギング、サイクリング、水泳などの有酸素運動を、少し息が切れる程度の速さで、1日合計30分以上、週3日以上を目標に行うことが推奨されています。

運動をする時間のない人は、職場や駅などで階段を使ったり、買い物、床掃除、庭の手入れ、洗車など日常生活のなかでからだを活発に動かす工夫をしましょう。なお、心臓病や高血圧、糖尿病などの持病がある人は、事前に主治医に相談してから運動を始めたほうがいいでしょう。

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