ときどき乳房が痛みます。乳がんではないかと不安です

Q.53歳、女性。ときどき、乳房や腋の下あたりにズキンとした痛みを感じます。月経が乱れがちになり、そのせいかと思っていたのですが、乳がんの可能性もありますか?とくに腕を動かしたときなどに腋の下あたりが痛みます。触ってみましたがしこりはないようです。症状は痛みだけですが、受診したほうがよいでしょうか?(秋田県 N)

乳房痛の原因はさまざまある。乳がんはまれだが、痛みがつづくなら乳腺科へ

A.乳房に痛みがあれば、乳がんではないか?と心配になる人は多いと思います。しかし、乳房痛があって乳腺外来を受診された人が、乳がんであることは比較的まれで、国内の医療機関では315人中2例との報告があります。

頻度は低いものの、外来では乳がんが隠れていないか、マンモグラフィや超音波などの検査を行います。ちなみに、乳がんでいちばん多い症状はしこりです。ほかに皮膚のひきつれや赤みなどがあれば、乳がんの可能性も高くなるので、早めに乳腺科を受診してください。

では乳房痛の原因には、どのようなものがあるのでしょうか。いちばん多いのは、乳腺症という、女性ホルモンにより乳房が張ったり、痛みを伴ったりするものです。比較的若い女性では月経前に症状が出現しやすいのですが、ホルモンバランスが乱れてくる更年期世代でも、チクチクしたりすることはあります。

また、ほてりやイライラなどの更年期症状に対してホルモン補充療法を行っている場合も、閉経前の乳房のようになるため、乳房痛は珍しくありません。これら乳腺症に伴う痛みは、治療を必要としないことがほとんどですが、日常生活に支障を来すようであれば、漢方や痛み止めの処方、内分泌療法を行うことがあります。

乳房に限らず、感染がある場合は①痛み②赤み③熱感を伴います。たとえば、乳輪の下に膿がたまってしまう「乳輪下膿瘍」などで、その場合は切開して膿を排出し、抗菌薬を内服します。

また、乳腺以外が原因のこともあります。たとえば肋間神経痛や、心臓に関係する不整脈・狭心症などです。階段を上るときにおこるか、伸びをしたときにおこるかなど、どんなときに痛みが出るのかも重要になります。肺炎の胸痛や筋肉痛でも、乳房あたりの痛みとして感じることがあるかもしれません。

乳房痛がある場合は、痛みの性状(いつからか、両側か片側か、部分的か全体か)、しこりがあるか、発熱や発赤(ほっせき)はあるか、月経周期との関連などのほか、せきや痰、動悸や息切れを伴うかなどを観察しておいてください。

一時的な痛みであれば経過観察で問題ありませんが、1カ月以上継続する場合は乳腺外来を受診したほうがよいでしょう。

回答:聖路加国際病院(東京都)乳腺外科副医長 竹井淳子先生

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