肺がんは早期発見で勝つ!

日本人の死因第1位は「がん」。そのなかでも、もっとも死亡者数が多いのが「肺がん」です。年間約7万4000人、毎日約200人が肺がんで亡くなっている計算になります。肺がん対策には、禁煙とともに、定期的にがん検診を受けて、早期発見・早期治療につなげることが大切です。

気管支などの細胞に発生し呼吸を妨げ命を脅かす

気管は、胸の中央あたりで左右に分かれ、やや細い気管支となって肺に入っていきます。気管支は枝分かれをくり返して、さらに細い気管支となり、網の目をつくっていきます。その先端には肺胞という膨らみがあります。この肺胞で、呼吸で吸い込んだ空気から体内に酸素を取り込み、二酸化炭素を排出する「ガス交換」が行われています。

肺がんとは、この気管や気管支、肺胞の細胞に発生したがんのことで、呼吸にかかわる重要な働きを妨げ、命を脅かすことも多い病気です。

自覚症状なく進行。検診での早期発見が重要

肺がんは、初期にはほとんど自覚症状がありません。進行すると、せきや血痰、ぜーぜーする呼吸(喘鳴:ぜんめい)のほか、胸の痛みや息切れ、声のかすれ、顔や首のむくみなどが現れることがありますが、どれも肺がん特有の症状とはいえず、かぜや肺がん以外の呼吸器の病気でもおこり得る症状です。

しかも、症状の出方には個人差があり、とくに自覚症状に気が付かないまま進行してしまうケースも少なくありません。

このため、東京ミッドタウンクリニックの山田耕三先生は「肺がんは、胃がんや大腸がんなどと比べ、まだ”治りにくいがん”の一つです。自覚症状の有無にかかわらず、肺がん検診を定期的に受けて早期発見を心がけ、早期治療につなげることが大切です」とアドバイスしています。

ステージⅠでの5年生存率は81.6%

がんが「治った」目安とされる5年生存率は、胃がんや大腸がんの70%台に対して、肺がんは約41%にとどまっています。また、肺がんはステージが進むにつれて、ほかの臓器のがんよりも5年生存率の割合が大きく減っていきます。

背景として考えられるのは、肺がんが切除しにくく、転移しやすいということです。切除手術の際、がんが広がっている場合に備えて、通常はがんの周囲も切除します。

しかし肺は鎖骨や肩甲骨、肋骨などの骨に囲まれているうえ、大動脈や肺動脈といった太い血管が通っていることなどから、切除範囲が限られ、がんを完全に切除するのは難しいとされています。さらに、ガス交換の場として、肺には大小の多くの血管が集まっています。

このため、肺にできたがんは、血管やリンパ管などを通って、肺以外の臓器に「転移しやすい」と考えられています。

しかし、ステージⅠで発見できれば、5年生存率は81.6%です。がんが広がったり、転移する前に早期発見することが、何よりも重要になります。

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