早朝高血圧は血管を傷め、動脈硬化を進める

早朝に血圧が急激に上がると脳卒中や心筋梗塞の引き金に

血圧は季節だけではなく、睡眠・起床のリズム、食事、運動などの行動や環境によって、1日のなかでも変動しています。たとえば、高血圧ではない人でも、早朝は血圧が上昇するのが一般的です。

これには自律神経がかかわっています。夜間は自律神経のうち心身をリラックスさせる副交感神経が優位な状態ですが、日中は心身を活発にする交感神経が優位な状態になります。

早朝は、副交感神経から交感神経へと切り替えが行われるため、通常、血圧はゆるやかに上がっていきます。ところが、自律神経の働きが乱れると、「早朝高血圧」がおこることがあります。

早朝高血圧には、睡眠中から血圧が上がり、早朝まで高い状態がつづく夜間高血圧型と、睡眠中の血圧は下がっているのに、朝の起床の時間帯に血圧が急上昇するモーニングサージ型の2つのタイプがあります。

サージとは英語の「高波」という意味です。高血圧の人や高齢者、動脈硬化が進んでいる人が、血圧の振れ幅が大きくなるモーニングサージを頻繁にくり返していると、脳や心臓の血管が傷んで動脈硬化が進み、脳卒中や心筋梗塞、狭心症、心不全、大動脈解離など命にかかわる循環器の病気の発症リスクが高くなることが、多くの研究で報告されています。

モーニングサージを何度もおこしていると細い血管も傷つき、慢性腎臓病(CKD)や血管性認知症を引きおこすリスクも高くなります。また、夜間高血圧型の場合も、血圧が高い状態が持続するため、動脈硬化が進みやすくなります。

早朝高血圧を見逃さないために毎朝、家庭血圧を測ろう

高血圧を予防・改善するための第一歩は、自分の血圧がどのような状態にあるかを把握することです。とはいえ、早朝高血圧は早朝におこるため、日中に行われる一般の健診や医療機関での検査で発見することは困難です。そこで、毎朝、同じ時間に同じ環境で血圧を自分で測ることによって早朝高血圧を見つけることができます。

朝の家庭血圧を5日間程度測ってみて、最大血圧の平均値が135mmHgを超えている場合は早朝高血圧の疑いがあるため、かかりつけ医への受診をおすすめします。血圧を24時間測定する血圧計を貸し出している医療機関もありますので、家庭血圧が高くて心配な人は、かかりつけ医か循環器内科に相談してみてください。

高血圧の人にとって冬の朝は危険な時間帯です。朝一番からシャキシャキ動いていたり、便秘で寒いトイレでいきんだりしていると、血圧が上昇して、急性心不全、脳卒中、さらに大動脈解離などのリスクが増します。

朝はからだを冷やさないようにして、ゆっくり動きだしましょう。それに加えて、血圧を上げやすい生活習慣を改善することも大切です。

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