女性が気になるがん「卵巣がん」

卵巣がんは自覚症状に乏しいうえ、進行しやすく、早期発見の方法もととのっていないため、まだ「治りにくい」のが現状です。「異常」に気付いたら受診するのはもちろん、子宮がんもあわせて婦人科で調べてもらう機会をふやすことがすすめられます。

がんがおなかに広がりやすく早期発見が難しい

卵巣は親指の頭程度の大きさで左右に一つずつあり、エストロゲン、プロゲステロンといった女性ホルモンを分泌し、閉経まで周期的に排卵(卵子を放出)しています。卵子は卵管采という卵管の入り口から卵管を通って子宮に運ばれます。

卵巣がんは発生した部位によって大きく三つに分けることができます。それは、「卵巣自体」「卵管采」「子宮内膜の組織が卵巣で増殖した卵巣チョコレートのう胞」です。

卵巣は腹腔内にある臓器のため、針を刺すとがん細胞がこぼれる可能性があります。そのため、子宮がんの検査で行う細胞診や生検を一般的には行いません。また、不正出血などの目立った自覚症状もありません。そのうえ、がんができると短期間のうちにおなかの中に広がりやすいのが特徴です。

このため、早期発見が難しく、多くの場合、4段階の病期のうち、発見された時点ですでにステージⅢとなっています。すなわち、がんが卵巣内にとどまっておらず、おなかの中に広がっているという状態です。

「遺伝性」が心配ならカウンセリングや遺伝子検査も

排卵時には、卵巣から卵子が放出されるたびに卵巣が傷つき、それを修復することがくり返されます。卵巣自体から発生するがんは、その過程で発生することから、排卵の回数が多いはど卵巣がんのリスクが高くなります。

また、卵巣がんの約1割には遺伝的要因が関係しているとされ、「血縁者に卵巣がんや乳がんになった人が複数いる」などに該当する人は、卵巣がんのリスクが高い可能性が考えられます。

これは遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)と呼ばれ、BRCAという遺伝子の変異が発がんリスクを高める原因となっており、両親のどちらかにこの変異があると、子どもには50%の確率で変異が現れるとされています。ただし、変異があっても必ず卵巣がんなどにかかるわけではありません。

加藤先生は「遺伝性のがんではないか心配な場合は、全国のがん診療連携拠点病院などに開設されている遺伝カウンセリング外来などを利用して、まず相談することをおすすめします。カウンセリングにつづいて遺伝子検査(血液検査)を受けることや、その結果次第で、卵巣の予防切除なども可能になっています」と話します。

一方、卵巣がんは自覚症状がないまま進行し、 「下腹部に何か硬いものが触れる感じがする」とわかる段階では、すでにがんが進行している恐れがあります。「妊娠・出産歴がなく、排卵の回数が多い」などのリスクが高い人はとくに、おなか周りの異常や下腹部の圧迫感などに気付いたら、すぐに婦人科を受診するようにしましょう。

また、卵巣がんを見つけることができる超音波検査は、人間ドックなどのメニューにも入っています。とくに卵巣がんのリスクの高い人は、人間ドックなどで超吉波検査を受け、医師のアドバイスを受けるとよいでしょう。

加藤先生は「卵巣がんのがん細胞が、卵管内腔でつながっている子宮内膜の細胞診で見つかる場合があります。このため、子宮体がんの検査で卵巣がんが見つかったケースもあります」として、婦人科での検査の活用を呼びかけています。

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