「アイメッセージ」で伝えてみる

「どうして」は相手に対する非難

何げなく使っているけれど、実はコミュニケーションを悪化させたり、場合によっては断絶の危機をもたらす言葉があります。どんな言葉だと思いますか?それは「どうして(あなたは)(君は)こうなんだ」という言葉です。

会社帰りに近くのスーパーでしょうゆを買ってくるように頼まれていたことを、すっかり忘れてしまったAさん。帰宅して妻に「どうしてあなたはいつもそうなの?」といわれて、思わずムッとしたそうです。謝る気持ちがすっかりどこかにいってしまい、かばんを投げ捨てるように置いてスーパーへ向かいました。

歩きながら「なぜ仕事帰りの自分が買い物に戻らなくてはいけないのか」と怒りが込み上げてきて、帰宅後もしばらく妻と冷戦状態になったそうです。

よくあるパターンの冷戦ですが、その引き金になったのは、「どうしてそうなの」「どうしてできないの」という言葉です。「どうして」というのは、疑問を投げかける言葉ですが、実は問いかけているのではなく、暗に相手を責める”非難″が込められているのです。

そのため、いわれたほうは、その非難をかわそうとして言い訳をしたりすることになります。いったほうは、その言い訳に対して「いつも言い訳ばかりして謝らない」とたたみかけることがしばしばで、コミュニケーションの接点がなくなってしまうのです。

気持ちをストレートに穏やかに伝える

職場でよくあるのは、上司や同僚に「どうして君はそうダメなのか」などと非難されるケースです。いわれたほうは困惑して、一応「すみません」と謝るかもしれませんが、相手に対する反感が募り、信頼は失われてしまいます。

「どうして(あなたは)(君は)そうなんだ」といってしまうのは、本当は、自分がしてほしかったことを相手がしてくれなかった場合ではないでしょうか。失望が「どうして」という言葉に変わったといえます。

では、相手が自分の期待に応えてくれなかった場合、その気持ちを伝えるにはどうすればよいのでしょう。

たとえば「私は、あなたに○○をしてほしかったので残念」という伝え方はどうでしょう。「あなたは(君は)ダメ」という伝え方ではなく、「私はこんな気持ちです」というように、相手を詰問するのではなく、自分を主語にして気持ちをストレートに穏やかに伝えるのです。

これをカウンセリングの現場などでは、「アイメッセージ」といいます。きっと相手も素直に謝ってくれるはずです。「あなたがおしょうゆを買ってきてくれたら、私はすごく助かるの」そう伝えればAさんも、次回は間違えたり忘れたりしないように、きっと注意してくれるのではないでしょうか。

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